一流の流儀 「信念のリーダー」小久保 裕紀WBC2017侍ジャパン代表監督

(第8回)ジャイアンツに無償トレード
球団移籍は勉強になる

 現役中、けがに何度となく見舞われ、2003年は1年間を棒に振るほどの重傷を負った。3月6日のオープン戦だった、対西武ライオンズ戦でのこと。ホームへ生還しようとスライディングした際に捕手と交錯し、右膝の前十字靭帯(じんたい)断裂、内側靭帯損傷、外側半月板損傷、脛骨(けいこつ)と大腿(だいたい)骨の挫傷。ロサンゼルスの病院で手術を受けたのち、米国アリゾナ州のリハビリ施設で完治するまでの6カ月間、必死にトレーニングに励んだ。その一方で、当時のフロントの日頃からの不可解な行動に不信感を募らせていた小久保裕紀さんは、オーナー代行から呼び出されて、トレードを言い渡さる。そして翌年から無償トレードで読売ジャイアンツに移籍した。

 その年、ホークスは3年ぶりのリーグ優勝と4年ぶりの日本一を達成し、喜びに沸いたチームだったが、信頼する主砲のまさかのトレードに怒り、優勝旅行をボイコットする事態に発展した。移籍の理由について本人は「ホークスを出たかったというのが一番ですが、無償だった理由は自分でもよく分からないのです」と繰り返すだけだ。

 だが、ジャイアンツへの移籍は、小久保さんの野球人生において新たな目を開かせた。

 2004年のシーズンを終了してみれば、打率3割1分4厘、41本塁打、96打点という素晴らしい成績を挙げていた。第69代の4番に座り、3年目には原辰徳監督から主将に指名された。「移籍したおかげだ」と、小久保さんは語りだした。

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