石川俊男 医師 (いしかわとしお)

国立国際医療研究センター国府台病院

千葉県市川市国府台1-7-1

  • 心療内科
  • 非常勤医師

心療内科 内科

専門

心療内科(心身医学)、消化器学、神経薬理学

石川俊男

心身症や摂食障害を始めとして身体の症状や病気を中心に診ている。我が国の心療内科の祖である故池見酉次郎先生との出会いをきっかけとしてこの分野の臨床と研究を始めた。心身相関に関する基礎的研究の傍ら消化器心身症や摂食障害、産業ストレスに関する臨床研究など実績を重ねること30有余年。摂食障害の診療は、患者自身の治癒能力を信じて時間をかけて治療を行っている。

診療内容

摂食障害:拒食症では、摂取エネルギー量が減少して低栄養になり、体重が減少。女性の場合、月経が止まる。その状態が長く続くと基礎代謝が低下し、低体温や低血圧につながるだけでなく、重症化すると低血糖や骨粗しょう症を引き起こすという。さらに体重への強いこだわりが原因となり、精神面や行動面にも異常が現れる。
過食症では、おう吐を繰り返すことによるカリウムが不足で不整脈が生じるほか、月経異常や肝機能障害を合併することも。また胃酸逆流の影響で、歯のエナメル質が溶けたり、逆流性食道炎を起こすケースも少なくない。一方で、精神症状の合併も多く、抑うつ傾向になり、自傷行為や様々な行動化が見られる。
このような摂食障害の治療は、状態に応じて身体面と精神面の両方からアプローチしていく。まずは治療同盟、患者・治療者信頼関係の構築からスタートする。体重増加が求められる人では行動制限療法を用いて、同時に誤った認知を修正して行動を変える認知行動療法などを用い、身体的に落ち着いてきたら、自己肯定を促し、自分らしい生き方や生活の仕方を目指した治療を行っていく。状況に応じて家族療法、対人関係療法、認知行動療法などを利用して治療効率を図る。
このほかストレス状態からの開放を目指すリラックス法の習得や ストレッサーを明らかにしてその対処法の指示と学習、 健康の維持・増進のための生活習慣や行動様式の習得など。これらを可能にするために、カウンセリング、自律訓練法、行動療法、バイオフィードバック法、交流分析療法、家族療法、作業療法などを組み合わせて治療計画を立てている。また、各科との連携も意識しながら治療を行っているという。一方で生活能力の改善が主要な治療でもあるので、多職種参加型のチーム医療を積極的に取り入れている。抗うつ薬や抗不安薬等の向精神薬を併用することもある。これは摂食障害そのものに直接効くわけではなく、障害が引き起こすさまざまな症状を和らげるために処方される。薬を飲むことに不安を感じる患者も多いので、積極的に会話をし、薬の副作用や用法などを十分に説明・納得してもらうことが重要である。
 究極、ご自分が自ら食べて治っていく疾患であることより、体験的な納得や気づきで治療が進んでいく。いわば、治っていく患者をサポートするのが治療者の仕事である。
「小さな心配事でも遠慮せずに相談できるような雰囲気づくりと信頼関係が医療の根底になければいけないと考えています」(石川医師)
リラックスして相談でき、安心して薬を飲めるような診療体制を理想としている。

医師プロフィール

1975年3月 東北大学医学部 卒業
1975年6月 九州大学心療内科 入局   
1986年4月 米国 UCLA Center for Ulcer Research and Education (CURE)留学 
1988年4月 国立精神・神経センター精神保健研究所心身医学研究部 室長   
1995年4月 同上センター精神保健研究所心身医学研究部 部長
1999年10月 同上センター国府台病院 第二病棟部長(心療内科担当)
2010年4月 独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院内科部門診療部長
2016年3月 同センター 定年退官