切池信夫 医師 (きりいけのぶお)

なにわ生野病院

大阪府大阪市浪速区大国1-10-3

  • 心身医療科
  • 非常勤医員

心療内科 精神科 神経科

専門

摂食障害など

切池信夫

国内における摂食障害治療のスペシャリストであり、薬物療法、支持的精神療法、認知行動療法を主軸にした治療を行なうことで知られる。厚生労働省の研究班主任として、摂食障害の病因や病態をさまざまな角度から検討し、摂食障害診療に携わる専門家向けに「摂食障害治療ガイドライン」の監修にもあたった。自らを患者の良き援助者として位置づけ、患者自身の回復への意志をサポートする治療を信条とし「患者さんの心の成長を温かく見守っていく姿勢が重要です」と語る。現在、日本摂食障害学会理事長を務めるなど、後進の指導にも力を注いでいる。

診療内容

切池信夫医師は学生時代から脳や心に関することに興味があり将来は、脳外科・神経内科・精神科などを考えていたと言う。
摂食障害との出合いは、産婦人科の医師から拒食症ではないかと疑われる患者を紹介されたのがきっかけだった。「当時、やせてしまう病気はとても珍しく、教科書でしか見たことがありませんでした。“なぜ食べないのだろう?”と不思議でした」と語る。そして、拒食症が、脳と行動と心の3つの関係を明らかにできる病気で学生時代、精神病理学に興味を持っていたことや神経化学の研究をしてきたことなどから、この病気の病態の解明と治療に取り組むようになったのだと言う。
切池医師は摂食障害の治療について「患者さんの治りたい気持ち」を最大限引き出し「治療に対する動機づけを強化する過程」を大切にしているという。摂食障害の発症には患者の人生におけるさまざまな悩みや葛藤が関係していて、簡単に解決できるものではないからだ。決して急いで治そうとせず、患者とゆっくり時間をかけて付き合っていき、患者の病態に応じて、支持的精神療法、認知行動療法、薬物療法などを適宜組み合わせて治療にあたっている。 「慢性期の患者さんに対しては特に慎重に接する必要があります。慢性期においては、病気であることが自分と社会、他人をつないでいる理由や手段となっていることもあります。病気が治ることでそのつながりがなくなるという不安を抱える患者さんにとって、治療は苦痛でしかないのです」(切池医師) こうした慢性期の患者には支持的精神療法を実施。患者への温かい関心や励まし、受容することを意識しながら、共感的で効果的なコミュニケーションを通して、患者を支えていく。
「医師には患者さんを温かく見守っていく姿勢が必要です。私は患者さんが自ら摂食障害から脱出する過程のよき援助者として自らを位置づけています」(切池医師)
摂食障害患者は医師の指示に従わなかったり、難治性のイメージもあり、治療を敬遠する医師も多い。しかし、切池医師は精神科だけでなく、内科(小児科)、心療内科、救急科や産婦人科などと連携し、協力して治療にあたれば医師の負担を軽減でき、完治させることも可能だとしている。
「摂食障害は患者さんを取り巻くご家族、社会、文化などが大きく影響します。地域において摂食障害の治療ネットワークを構築していくことが今後の大きな課題となります」(切池医師)

医師プロフィール

1971年3月 大阪市立大学医学部卒業
1975年7月 大阪市立大学 助手 (神経精神医学教室)
1977年8月 北野病院 精神科
1979年1月 米国ネブラスカ州立大学医学部 薬理学教室
1980年4月 大阪市立大学 助手
1982年10月 大阪市立大学 講師 (神経精神医学教室)
1992年7月 大阪市立大学 助教授(神経精神医学教室)
1999年5月 大阪市立大学 教授(神経精神医学教室)
2000年4月 大阪市立大学大学院医学研究科 教授(神経精神医学教室)
2012年4月 大阪市立大学名誉教授