山岡昌之 医師 (やまおかまさゆき)

池袋心療内科メディカルオーククリニック

東京都豊島区西池袋1-39-4 第一大谷ビル5F

  • 心療内科

心療内科 内科

専門

摂食障害・うつ病

山岡昌之

日本摂食障害学会の理事や日本心療内科学会の副理事長などを務め、摂食障害治療をリードしてきた。診療の際には全人的医療を心がけ、特に母子の信頼関係の確立を目指す再養育療法に力を入れている。認知行動療法や行動制限療法、家族療法などを各患者に合わせて柔軟に行う。医師不足や患者の増加に対応するため、専門医養成や重症者の治療を担う公的な摂食障害の専門治療機関の設立を訴えている。2013年3月で九段坂病院を定年退職し、日本摂食障害治療研究所所長に就任。専門機関での研究と診療に従事する。

診療内容

拒食症や過食症などの摂食障害を1978年頃より診察を始め、全国からの多くの患者の診療にあたる。
近年、やせ願望や肥満恐怖から摂食障害になる患者が急増している。おもに若い女性の患者が多いが、最近では発症年齢層の幅が拡大し、児童や既婚女性、男性の発症も増えている。摂食障害は、自己評価の低下、抑うつ、自傷行為、自殺企図に加え、脳萎縮、骨粗しょう症、致死的不整脈などの重篤な合併症により死にいたることもある慢性の難治性疾患だ。
拒食症の多くは思春期に発症し、男女比は1対20と女性が多い。拒食症には、拒食、やせ、無月経を主症状とする制限型と、過食・嘔吐、下剤・利尿剤・やせ薬などの乱用や問題行動が認められるむちゃ食い・排出型がある。過食症は思春期・青年期女性の1~3%に見られ、過食と嘔吐を繰り返し、下剤等の薬物の乱用、過食後の無気力感、抑うつ気分、自己卑下を伴う排出型と、過食のみで肥満傾向が見られる非排出型に分けられる。この他、特定不能の摂食障害として、過食をだらだら続けるタイプや、食事をかんで吐き出し、ほとんど飲み込まないチューイングなどがある。
摂食障害は、罹患しやすい遺伝子をもった個体が発症しやすい環境の中で育てられた際に、何らかの引き金によって発症にいたると考えられている。背景には母親が情緒応答性を十分に発揮できる育児が難しくなった現代社会に問題があると言われている。患者は自分の欲求を抑えて周囲の期待通りに行動する「良い子」として育つことが多く、思春期・青年期に学業や対人関係などで自信を喪失した際に、ダイエットをすることで自己愛を回復し、内面の安定を得ようとする。
山岡医師は治療の際、一方的に薬を処方するのではなく、全人的医療の実践を心がけている。実際の治療では、体重が30キロ以下など、体重減少が著しく栄養状態が悪い場合には、身体的治療を優先して入院させる。体重が35キロ以上まで回復すれば、通院での治療となる。心理的治療としては、特に再養育療法に力を入れている。これは、母親が情緒信号を読み取る力を身に付けることで、親子関係を再構築していくものだ。その他にも、患者の体重や体型に関する否定的な考え方を前向き・柔軟な考え方へと修正する認知行動療法を行う。また、入院中の患者の行動を制限し、食事量や体重の目標達成を条件に行動範囲を広げていく行動制限療法なども行っている。
日本には摂食障害を抱える多くの患者がいるが、適切な治療を提供できる医療機関は非常に限られている。専門的な治療を提供している数少ない医療機関は多数の患者を抱え、受診制限をせざるをえない状況が続いている。山岡医師はこれらの問題を解決するために、公的専門治療機関の創設を目指した働きかけも積極的に行っている。

医師プロフィール

1973年3月 東京医科歯科大学医学部医学科 卒業
1973年6月 東京医科歯科大学医学部第一内科入局
1977年7月 国家公務員共済組合連合会九段坂病院 内科 医員
1983年4月 国家公務員共済組合連合会九段坂病院 内科 医長
1996年10月 国家公務員共済組合連合会九段坂病院 心療内科 医長
2000年4月 国家公務員共済組合連合会九段病院 心療内科 部長
2006年4月 国家公務員共済組合連合会九段病院 診療部長
2007年4月 国家公務員共済組合連合会九段病院 副院長
2013年3月 同院定年退職
2013年4月 日本摂食障害治療研究所所長