野間俊一 医師 (のましゅんいち)

京都大学医学部附属病院

京都府京都市左京区聖護院川原町54

  • 精神科神経科
  • 講師

精神科 神経科 内科

専門

摂食障害

野間俊一

野間俊一医師は20年以上にわたって、拒食症・過食症といった摂食障害治療の第一線で活躍を続けている。2003年には『ふつうに食べたいー拒食・過食のこころとからだ』(昭和堂)という本を世に出し、摂食障害治療では単に症状を取り除くだけではなく、患者の生き方そのものに焦点を当てる必要性を説いた。以後も日々専門医として、現場での治療および研究に精力的に取り組み、後進の指導に当たっている。同院での外来・入院治療だけではなく、地域での講演活動を積極的に行い、摂食障害者支援団体「SEEDきょうと」の代表を務めるなど、その行動範囲は広い。

診療内容

摂食障害の治療では、初診時の対応が大きなポイントになると野間医師は言う。今後の治療をどのようにしていくのか? たとえば内科や小児科で診るべきなのか、あるいは精神科で診るのか、さらに入院治療と外来治療のどちらが適当かといった判断をする必要があるのだという。
「しかし、それだけでは不十分で、初診の時に本人の治療意欲を高める対応をしなければいけません。そうしないと治療が進まないからです」(野間医師)
つまり、初診には治療の方向付けと治療意欲の刺激という役割があるのだそうだ。
「もっとも重要なのは、いかに再診してもらうようにもっていくかということです。そこが勝負です」
そう、野間医師は言うが、なかなか簡単にいくものではない。本人は十分葛藤しているのに、周囲の者が無理やり病院に行かせようとしても、通院の恐怖心を植えて付けるばかりで、逆効果なのだ。
「鍵となるのは、この病気の厳しさと、それでも治療を続けることで改善できるんだ、という希望をうまく伝えることです。この病気がどういうものか。このままいくとどうなるのかという厳しい内容を伝えながらも、患者が医者から突き放されたと感じないで、逆に治療の意欲がわいてくるような接し方を心がけることが大切だと私は考えています」(野間医師)
自分が摂食障害という病気であり、自分が治療を受けるのだという自覚を本人に促すことができれば、その後の治療がスムーズになるのだとか。
しかし、近年摂食障害の患者は増え、高い死亡率であるにもかかわらず、社会問題としての認識は依然として低く、その対策も不十分なままである。野間医師によれば、摂食障害の病因や病態はとても複雑で、治療をはじめてから回復、さらに社会復帰するまでに、生物・心理・社会といった多方面からのアプローチが必要なのだという。つまり、専門的な施設が必要なのだ。それにもかかわらず、野間医師の拠点とする関西には摂食障害を専門的に扱う支援施設がない。そこで現在、野間医師が代表となり摂食障害者の支援施設を運営しさまざまな支援活動を展開している。
(SEEDきょうと→http://kedsc.umin.jp/)
近ごろはテレビなどでも摂食障害が取り上げられる機会が増えてきたが、まだまだ認知度は低く、専門医も少ない状況である。ぜひとも早い時期に野間医師らの活動が実を結び、患者や家族にとって安心できるような治療・サポート体制が構築されることが望まれる。

医師プロフィール

1990年3月 京都大学医学部 卒業
1994年6月 ドイツ、ヴュルツブルク大学精神療法・医学的心理学研究所
1996年8月 京都博愛会病院精神科
1999年2月 京都大学医学部附属病院精神科神経科