人間の血液量と出血の種類 家庭の医学

 成人の血液量は体重の7%で、体重70㎏で約5Lです。出血量は1500mL以上で血圧が下がり、2000mL以上で意識がなくなり生命の危険が出ます。出血には内出血と外出血があります。

 外からは見えないからだ内部の出血が内出血です。打撲のあと、皮膚が赤青くなる皮下出血や胸部動脈瘤(りゅう)破裂の胸腔(きょうくう)内出血、肝臓破裂の腹腔内出血、交通事故の骨盤出血などがあります。
 からだ表面の傷からの出血が外出血で、ふつうにいわれている出血です。
 血管の種類により動脈性外出血、静脈性外出血、毛細血管性外出血に分かれます。

□動脈性外出血
 鮮やかな赤色(鮮紅色)の血液が勢いよく拍動性に(心臓の鼓動に合わせて)ピューピューと出血します。自然に止血することは少なく、太い動脈では大量出血し、ショックになり死にいたる重症の出血です。至急、救急車を呼びます。その間は止血の応急処置をおこないます。

□静脈性外出血
 暗赤色の血液がジワジワと湧き出るように出血します。細い静脈の出血は、出血部を強く圧迫すると容易に止血できますが、太い静脈の出血は止血できにくく、出血性ショックになることがあります。

□毛細血管性外出血
 毛細血管という非常に細い血管からにじみ出るような出血です。出血部を圧迫すれば止血できます。

 止血には、手術で血管を焼いたりしばることで永久的に止血する方法と、一時的に血を止める方法がありますが、応急手当てでおこなえるのは一時的な方法で、おもに出血部を手や指で圧迫すること、出血部分を包帯や布でしばることです。

(執筆・監修:八戸市立市民病院 事業管理者 今 明秀)

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