医療機関とのつき合いかた

 たとえば、なにかに一生懸命に取り組んだり、激しい運動をしたりしたあとには、誰しも疲労感をおぼえるでしょう。しかし、それによって充実感や達成感を得られ、多くの場合、疲労感は時間とともに解消されますので、病気とはいえないでしょう。いっぽうで、学業や仕事などで期待した成果が得られなかったり、身のまわりで不幸な出来事があったりすれば、誰でも気持ちが落ち込んだり、なかなか眠れなくなったりするものです。
 そのような、外的な環境の変化による一時的な抑うつ気分も、誰にでも生じうる正常な反応であり、病気ではありません。また、年齢を重ねれば、若いときとくらべてからだや神経機能のおとろえを自覚するものですが、老化による変化そのものも、程度の差こそあれ誰にでも生じることであり、病気とはいえません。

□総合診療医あるいはプライマリ・ケア医のすすめ
 このように、病気か否かの線引きは必ずしも容易でなく、このままようすをみていていいのか、それとも何か重大な病気があるのか、不安に感じることもあるでしょう。そんなとき、あなたのふだんの状態を把握していて、気軽に相談ができるような、かかりつけ医・家庭医があればたいへん心強いものです。受診するのに便利な場所に、そのような医療機関を見つけておくことをすすめます。
 ある疾患が診断され、その治療を進めていく段階では、当該領域の専門医が活躍しますが、わたしたちのふだんの健康を維持し増進していくには、総合診療医あるいはプライマリ・ケア医や在宅援助してもらえる医療専門職が重要な役割を果たします。病気をさがしたり異常値を見つけたりすることに主眼をおくのではなく、たとえ病気を抱えていたとしても健康と感じられる生活を送れるように、からだに自然に備わる免疫力を高めて新たな疾病を予防したり、加齢に伴う体力のおとろえや筋肉の萎縮を防いだり、精神心理的に健やかでその人らしく振る舞えたりといった、わたしたち一人ひとりにふさわしい助言や援助を受けられることでしょう。

□医療機関を受診する前に
 医療機関を受診する前に、自分の症状について、次のような点を記録しておくと役立ちます。こうすることで、医師に対して症状を要領よく説明できることはいうまでもありませんが、それだけでなく、自身の状態について、頭のなかで客観的に整理することが可能になります。症状がいったん落ち着いたら、詳細を忘れないうちに書きとめておきましょう。ふだんから脈拍や血圧、体重などを測定し記録する場合は、同じ表の中に自覚している症状も記録しておくと健康管理や健康相談にも役立つでしょう。
 1.症状が始まった日時と、持続時間
 2.症状の性質。なるべく自分の感じたとおりに描写するようつとめましょう。
 3.どこで、何をしているときに生じたか。屋外であれば天候や気温なども。
 4.突然に始まったか、徐々にはっきりしてきたか。誘因や前兆があったか。
 5.不快感や苦痛(痛みなど)がどれくらいの強さか。たとえば、これまでに感じたもっとも強い症状を10点満点とすると、今回の強さは何点か。

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