急性アルコール中毒、酩酊〔きゅうせいあるこーるちゅうどく、めいてい〕 家庭の医学

 アルコールの血中濃度と症状には一定の関係があります。

●血中アルコール濃度と臨床症状の関係
血中濃度
(mg/dL)
臨床症状
20~40気分さわやか。活発な態度をとる
50~100ほろ酔い気分。脈拍数、呼吸数が速くなり、話がなめらかになる。抑制がとれる
110~150気が大きくなり、自己抑制がとれる。立つと少しふらつく
160~300運動障害が出現する。まともに歩けない(千鳥足)。呼吸促迫、嘔気、嘔吐
310~400歩行困難、転倒すると起き上がれない。意識混濁、言語支離滅裂
410~昏睡状態、糞便失禁、呼吸まひをきたし死亡する危険性大
※飲酒量と血中アルコール濃度、臨床症状との関係では、個人差が大きいことに注意


 血中濃度がどんどん上がれば、最後には呼吸まひにおちいって死亡します。ニュースなどで報じられる、一気飲みによる死亡事故は急激な血中濃度の上昇によるものです。血中アルコール濃度
 酩酊にはいろいろなタイプがあります。単純酩酊は特に問題行動を起こさないものをいいます。複雑酩酊は、悪酔いして人にからんだり暴力的になったりするものをいい、本人はところどころ記憶が残っています。病的酩酊は、すっかり人が変わりいちじるしく攻撃的になったりします。その間の記憶はまったく抜けています。

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)
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