耳介炎と外耳道炎〔じかいえんとがいじどうえん〕 家庭の医学

 細菌感染による耳介炎は耳たぶ全体あるいは一部に、外耳道炎は耳の穴の中の皮膚にでき、痛みやかゆみを生じます。化膿(かのう)性の細菌の感染が原因で、おもに毛根に起こります。耳のかきすぎなどでも起きやすく、その場合は慢性化しやくなります。自傷行為やボクシングなどによる外傷では軟骨膜炎が生じ、耳介全体が腫脹(しゅちょう)します。

[治療]
 患部を消毒し、抗菌薬の入った軟膏(なんこう)を塗布します。痛みなど症状が強い場合は抗菌薬や消炎鎮痛薬を内服します。化膿のために、はれがひどいときは切開排膿をおこないます。外傷による耳介の腫脹には、消炎鎮痛薬と副腎皮質ステロイドの内服をおこないます。

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔耳鼻咽喉科・頭頸部外科〕 山岨 達也
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