顎関節脱臼〔がくかんせつだっきゅう〕 家庭の医学

 あくびなどのように大きく口を開いたときに、顎関節が脱臼することがあります。
 片側だけが脱臼したときは、はずれていない関節のほうに下あごがかたより、上下の歯列をかみ合わせることができなくなります。同時に両側に起こると、下あごを前のほうに突き出したようになり、口が閉じられなくなります。そのために、よだれが出ても飲み込めず、口が動かないので声は出ますがことばがしゃべれなくなります。
 加齢により関節結節がすり減って低くなり、下あごの骨に付着している筋肉や靱帯(じんたい)がゆるみ、習慣性に脱臼をくり返す人もいます(習慣性脱臼)。
 脱臼した顎関節は、手で奥歯を下のほうに強く下げながら口を閉じるようにすると整復できます。

(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)
(執筆・監修:自治医科大学附属さいたま医療センター 総合医学第2講座 教授〈歯科口腔外科学〉 森 良之)
(執筆・監修:田賀歯科医院 院長/JR東京総合病院 歯科口腔外科 田賀 仁)
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