化膿した傷の手当て 家庭の医学

 化膿を起こした場合、傷の部分は赤くなり、はれ、触れると痛みがあり、また動かすと痛みをうったえます。表面の化膿でも範囲がひろがるばかりではなく、皮膚の中へ深くなっていきます。表面の化膿を安易に考えず、医師に相談したほうがよいと思います。応急手当てとして、きれいな水などでうみがなくなるまで洗い流し、消毒します。その後、医師に相談してください。
 うみが皮膚の下や深いところにたまると、傷の部分は、痛みや、熱感(その部分の熱い感じ)、はれがひどくなります。また、傷はグジュグジュし治りません。その部分の、または傷に近い部分の関節のリンパ節がはれることもあります。指、手、前腕、上腕のけがでは、わきの下のリンパ節が、足指、足、下腿(かたい)、大腿のけがでは股関節のリンパ節がはれることがあります。さらに全身的に熱が出て、痛みと熱のために衰弱します。リンパ節がはれたときには、強力な抗菌薬を服用するか点滴をする必要があります。
 傷の皮膚が自然に閉じたあとや縫合したあとでは、うみがわかりにくくなります。傷が治ったあとに、痛みやはれ、熱感が続くときも医師を受診します。

(執筆・監修:八戸市立市民病院 事業管理者 今 明秀)