性同一性障害〔せいどういつせいしょうがい〕 家庭の医学

 性同一性障害とは、からだの性と心の性が一致しないことです。自分とは反対の性にあこがれる、自分の性的特徴をきらうなどの症状がみられます。
 わが国では、精神科医による診断が確定したのちに、はじめにカウンセリングなどの精神療法をおこないます。自身が希望する性を選択したあとに、性ホルモンの投与や手術などの性転換治療をおこないます。

■形成外科での治療
 形成外科では、おもに性転換手術をおこないます。男性から女性への転換手術は、精巣(せいそう)・陰茎(いんけい)の切除術、腟(ちつ)の形成術などが含まれます。女性から男性への転換手術は、乳房(にゅうぼう)切除術、子宮・卵巣の切除術、陰茎の形成術などが含まれます。

【参考】こころの病気:性同一性障害

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)