「リハビリテーション」ということばについて 家庭の医学

 リハビリテーション(rehabilitation)は、ラテン語のre(ふたたび)+habilis(適した)、すなわち、「ふたたび適した状態になること」「本来あるべき状態への回復」を語源とし、身体的、精神的、社会的にもっとも適した生活水準の達成を可能とすることによって、各人が自らの人生を変革していくための手段を、提供していくことを目指すものです。
 家庭での生活においては、日常生活の動作(ADL:activities of daily living)をすこしでも自立して、快適におこなうことができ、介護量を軽減し、生活の質(QOL:quality of life)を高めることを目的とします。
 一般的に、リハビリテーション医療は、医学的な面だけでなく心理的、社会的、経済的、職業的、教育的な面すべてが含まれています。医学的リハビリテーションとは、1969年にWHO(世界保健機関)が発表した定義では、「個人の身体的機能と心理的能力、また必要な場合には、補償的な機能を伸ばすことを目的とし、自立を獲得し、積極的な人生を営めるようにする医学的ケアのプロセスである」とされています。

(執筆・監修:帝京大学医学部リハビリテーション医学講座 准教授 中原 康雄)