摂取エネルギー量と各栄養素のバランス
わたしたちは、栄養をおもに食事からとります。どんな食品(種類)を、どのくらい(量)、どんなふう(料理、組み合わせ)に食べたらよいのか次に示します。
■食品群と摂取のしかた
食品は、同じ仲間(たとえば穀類・魚・野菜など)であれば、栄養成分は近いという性質をもっています。この性質を利用して、よく似た栄養成分をもつ食品を食品群としてグループ分けし、違う群からまんべんなく食品を選ぶことで、いろいろな栄養成分を、バランスよくとることができるというものです。食品群にはいくつかの種類があります。
1.6つの基礎食品群
厚生労働省が示したもので、食品を1群から6群に分類しています。
この分類に従って、指導する人が対象者にあった量(g)を示すようになっています。標準的な量は示されていません。
2.4つの食品群
食品を大きく4つに分類しています。
80kcalを1点として、1点あたりの食品重量で食品のエネルギー量を示し、標準的な食べかたとして1600kcal(20点)の基本を示しています。
3.糖尿病食品交換表
食品を表1から表6と調味料に分類しています。80kcalを1単位として、1単位あたりの食品重量で食品のエネルギー量を示しています。ここには示していませんが標準的な食べかたとしてエネルギー別に各表ごとの単位数の例を示しています。
4.食事バランスガイド
厚生労働省と農林水産省が合同で策定した「食生活指針」(2000〈平成12〉年3月)を具体的に行動に結びつけるために、2005(平成17)年6月に厚生労働省と農林水産省が策定したもので、1日に「なにを」「どれだけ」食べたらよいかを料理レベルで示したものです。食べた食事を評価するのに便利なツールです。
■どんなふうに食べたらよいか
□調理法の組み合わせ
調理法を工夫することは、食事療法を考えるうえでも大切なことです。「炒める」「揚げる」という調理法は、油脂類をたくさん使います。また、サラダはマヨネーズやドレッシングでは、やはり油を多く使います。反対に「焼く」「蒸す」の場合は、油脂をあまり使いません。おひたしや酢の物も、油を使わない調理法です。油脂を使う調理法と使わない調理法を組み合わせることで、脂質のとりすぎは防げます。
食塩についていえば、煮物、汁物は、しょうゆや塩を使わないとおいしくできません。焼き物や揚げ物は、塩を使わなくても調理ができます。このように、食塩を使わなくてもできる料理とできない料理を組み合わせ、食卓で使うしょうゆや塩で、食塩の摂取量を調節すると、食塩制限をしている人も、家族といっしょに減塩食が実践できます。
□料理の組み合わせ
栄養のバランスをとるためには食事のつど「3つの皿」が基本となります。
牛乳・果物は3食のうち、どこかでそれぞれ1日に1~2回に分けて食べます。
■いろいろな種類の食品を食べることがなぜ大切か
栄養素には、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、水があります。それぞれの栄養成分は、からだのなかで違ったはたらきをしていますが、同時に、たがいに一定の関係をもちながらはたらいています。
たとえば、たくさん食べてもビタミンB1、B2が不足していると、食品のもっているエネルギーをうまく利用できなくなります。また、たんぱく質がはたらくにはビタミンB6が大切な役割を果たしています。
からだによいからといって、特定のミネラルやビタミンをサプリメントとしてたくさんとっても、その栄養成分を必要とする栄養成分をとらなければむだになったり、からだにたまったりしてしまいます。食品は栄養成分からみた場合に、完璧なものはありません。偏った食品を食べ続けると栄養障害をきたします。
いろいろな食品を使って、さまざまに料理することがバランスをととのえる簡単な方法です。食卓を楽しくすることも、健康的な食事の基本といえるでしょう。
■基本的な食べかた
参考に、1600kcalの食品の組み合わせ例を示します。
もちろん、食品の選びかたでエネルギーもたんぱく質も多少は違ってきます。この例には、調味料が含まれていません。
しょうゆ・塩・酢などは、ふつうであればエネルギーやたんぱく質の量は問題にはなりません。みそはみそ汁1杯程度であれば、エネルギーもたんぱく質も考慮するほどではありませんが、みそ炒めや田楽の場合のように、たくさん使う場合には大豆製品で調節するようにします。
食塩の過剰摂取を防ぐために、汁物は1日に1杯程度にし、漬物や佃煮は1日に1回小皿1皿程度にしましょう。料理は、しょうゆや食塩・味噌をたくさん使うような、「めん類」「丼物」「煮物」などのときは、ほかのおかずは食塩が少なくても、使わなくてもおいしい「焼き物」「揚げ物」「酢の物」などと、組み合わせるといいでしょう。また、市販のカレールー、麻婆豆腐の素などの複合調味料には食塩が多く含まれ、エネルギー量が高いものもあります。表示されている量より、少なめに使う、使用頻度を減らす、などの注意が必要です。
■食品群と摂取のしかた
食品は、同じ仲間(たとえば穀類・魚・野菜など)であれば、栄養成分は近いという性質をもっています。この性質を利用して、よく似た栄養成分をもつ食品を食品群としてグループ分けし、違う群からまんべんなく食品を選ぶことで、いろいろな栄養成分を、バランスよくとることができるというものです。食品群にはいくつかの種類があります。
1.6つの基礎食品群
厚生労働省が示したもので、食品を1群から6群に分類しています。
この分類に従って、指導する人が対象者にあった量(g)を示すようになっています。標準的な量は示されていません。
2.4つの食品群
食品を大きく4つに分類しています。
80kcalを1点として、1点あたりの食品重量で食品のエネルギー量を示し、標準的な食べかたとして1600kcal(20点)の基本を示しています。
3.糖尿病食品交換表
食品を表1から表6と調味料に分類しています。80kcalを1単位として、1単位あたりの食品重量で食品のエネルギー量を示しています。ここには示していませんが標準的な食べかたとしてエネルギー別に各表ごとの単位数の例を示しています。
4.食事バランスガイド
厚生労働省と農林水産省が合同で策定した「食生活指針」(2000〈平成12〉年3月)を具体的に行動に結びつけるために、2005(平成17)年6月に厚生労働省と農林水産省が策定したもので、1日に「なにを」「どれだけ」食べたらよいかを料理レベルで示したものです。食べた食事を評価するのに便利なツールです。
■どんなふうに食べたらよいか
□調理法の組み合わせ
調理法を工夫することは、食事療法を考えるうえでも大切なことです。「炒める」「揚げる」という調理法は、油脂類をたくさん使います。また、サラダはマヨネーズやドレッシングでは、やはり油を多く使います。反対に「焼く」「蒸す」の場合は、油脂をあまり使いません。おひたしや酢の物も、油を使わない調理法です。油脂を使う調理法と使わない調理法を組み合わせることで、脂質のとりすぎは防げます。
食塩についていえば、煮物、汁物は、しょうゆや塩を使わないとおいしくできません。焼き物や揚げ物は、塩を使わなくても調理ができます。このように、食塩を使わなくてもできる料理とできない料理を組み合わせ、食卓で使うしょうゆや塩で、食塩の摂取量を調節すると、食塩制限をしている人も、家族といっしょに減塩食が実践できます。
□料理の組み合わせ
栄養のバランスをとるためには食事のつど「3つの皿」が基本となります。
牛乳・果物は3食のうち、どこかでそれぞれ1日に1~2回に分けて食べます。
■いろいろな種類の食品を食べることがなぜ大切か
栄養素には、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、水があります。それぞれの栄養成分は、からだのなかで違ったはたらきをしていますが、同時に、たがいに一定の関係をもちながらはたらいています。
たとえば、たくさん食べてもビタミンB1、B2が不足していると、食品のもっているエネルギーをうまく利用できなくなります。また、たんぱく質がはたらくにはビタミンB6が大切な役割を果たしています。
からだによいからといって、特定のミネラルやビタミンをサプリメントとしてたくさんとっても、その栄養成分を必要とする栄養成分をとらなければむだになったり、からだにたまったりしてしまいます。食品は栄養成分からみた場合に、完璧なものはありません。偏った食品を食べ続けると栄養障害をきたします。
いろいろな食品を使って、さまざまに料理することがバランスをととのえる簡単な方法です。食卓を楽しくすることも、健康的な食事の基本といえるでしょう。
■基本的な食べかた
参考に、1600kcalの食品の組み合わせ例を示します。
もちろん、食品の選びかたでエネルギーもたんぱく質も多少は違ってきます。この例には、調味料が含まれていません。
しょうゆ・塩・酢などは、ふつうであればエネルギーやたんぱく質の量は問題にはなりません。みそはみそ汁1杯程度であれば、エネルギーもたんぱく質も考慮するほどではありませんが、みそ炒めや田楽の場合のように、たくさん使う場合には大豆製品で調節するようにします。
食塩の過剰摂取を防ぐために、汁物は1日に1杯程度にし、漬物や佃煮は1日に1回小皿1皿程度にしましょう。料理は、しょうゆや食塩・味噌をたくさん使うような、「めん類」「丼物」「煮物」などのときは、ほかのおかずは食塩が少なくても、使わなくてもおいしい「焼き物」「揚げ物」「酢の物」などと、組み合わせるといいでしょう。また、市販のカレールー、麻婆豆腐の素などの複合調味料には食塩が多く含まれ、エネルギー量が高いものもあります。表示されている量より、少なめに使う、使用頻度を減らす、などの注意が必要です。
食品群 | 重量 | おおよその エネルギー量 (kcal) | おおよその たんぱく質(g) | |
---|---|---|---|---|
1群 | 魚介 肉 卵 木綿豆腐 | 60g(1切れ) 60g(薄切り2枚) 50g(小1個) 100g(ミニ1個) | 80 80 80 80 | 12 12 6 7 |
2群 | 牛乳 海草 | 200g(1パック) 10g(みそ汁1杯分) | 130 | 7 |
3群 | 緑黄色野菜 | 100~120g(小鉢2皿) | 25 | 2 |
4群 | 淡色野菜 果物 | 230~250g(小鉢5~6皿) 200g(1個) | 70 80 | 3 少量 |
5群 | 穀類 いも 砂糖 | ご飯150g(1膳)×2食パン45g(8枚切り2枚) じゃがいも100g(中1個) 砂糖4g(小さじ1杯強) | 480 240 80 20 | 7.5 8 少量 0 | 6群 | 油 | サラダ油20g(大さじ2杯) | 160 | 0 |