外食・宴会と生活習慣病 家庭の医学

 外食や宴会が、生活習慣病に直接かかわっているわけではありません。しかし、肥満の人では、エネルギーのとりすぎの一因が、外食や宴会であることは、珍しいことではありません。外食(中食も含め)や宴会の料理は、一般的に脂質、食塩が多く、さらに宴会では全体量が多く、エネルギーのとりすぎになりやすく、食後のデザートや多量のアルコールも食事療法をみだす原因となりえます。この問題を100点満点で解決する方法は、いまの外食事情ではむずかしいと思われますが、すこしでも合格点に近づける方法を次に紹介します。
 なお、友人とたまに外食を楽しむときは、おおいに楽しんでください(もちろん、アルコールがドクターストップの人、糖尿病のコントロールのよくない人、心疾患で病状の優れない人たちは例外です)。

□料理の選びかた
 揚げ物(天ぷら、フライ、酢豚など)、ソースにバターやサラダ油を多く使った料理(グラタン、シチュー、マヨネーズソースなど)、ひき肉やバラ肉を多く使った料理はなるべく避けるようにします。避けられない場合には、意識して1食に1料理とするなどで調整します。

□適当に残す
 食事をごちそうになる場合は、残しにくいものです。自分にとっては量が多いときには、その旨を説明するのも一つの方法です。肥満でない人でも、特別な病気のない人でも量が多くて残すことはあります。天ぷらやフライの衣を残す、付け合わせのポテトフライやマヨネーズの多いポテトサラダ、スパゲティーは残す、パンにはバターを塗らない、テーブルに並んだ料理は、全部食べずに半分ずつにするなど、自分が気をつけている栄養成分に応じて、残すようにしましょう。残す理由を食事をつくった人に説明する、残したものが無駄にならないようにするなどの気づかいも大切かもしれません。

□前後で調整する
 外食を楽しまれた人は、ぜひ前後の食事で、調整してください。調整はすべて、「マイナス」ではありません。不足する野菜などを補う、「プラス」も大切です。

□顔なじみになる
 単身赴任、営業職で外食の多い人は、店の主人と顔なじみになってください。最近は旅館やレストランでも、「食べ物でアレルギーのものはありますか」「嫌いなものは」「気をつけてほしいことは」とたずねられます。まして、顔なじみになれば、何かを制限しなくてはならない場合でも、気持ちよく応じてくれるでしょう。そうなれば、単身赴任も、「また楽し!」です。

(執筆・監修:金沢学院大学 栄養学部栄養学科 特任教授 宮本 佳代子)