脂質(脂肪)のとりかたと生活習慣病

 食事摂取基準の脂質、脂肪酸の適正な摂取量の策定にあたり、生活習慣病の予防という観点から、多くの研究成果や諸外国の食摂取基準をもとに検討がされました。
 最近の日本人の栄養のとりかたをみてみましょう。1975年(2188kcal、52.0g)と2013年(1873kcal、55.0g)をくらべるとエネルギーは315kcal減少し、脂質の摂取量は52.0gから55.0gにふえていますが、エネルギー比率は26%であり、適正な値にとどまっています。

 また、飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸ともに食事摂取基準で示された数値にほぼ近くなっています。しかし、標準偏差(平均からのバラツキ)が大きく、個人差が大きいことが示されています。糖尿病や脂質異常症の発症リスクには脂肪酸の種類が問題となっていますので、量から質を重要視する必要性が示されています。
 脂質の給源は「肉類」や「揚げ物・炒め物に使われている油」「サラダやマリネなどに使われるマヨネーズや酢油」のほかに、スナック菓子やケーキやクッキーなどに含まれている油(バター、マーガリン、ショートニング等)など、脂肪酸という観点からみた場合に脂肪酸の種類はさまざまになります。脂肪の摂取量が多い人は、まず、食事以外からとっている脂肪を減らすようにします。肉と魚の比率ではやや魚を多めにする、牛乳・乳製品は200~250gにとどめ、多く飲みたい場合には脂肪の少ない製品にする(生クリームは除いて考えます)、料理に使う油は、サラダ油に限らずオリーブ油、シソ油などの油を料理によって使い分けるなどの工夫をされるとよいでしょう。
 最近、健康を売りにいろいろな油脂が販売されていますが、脂質のエネルギーはどれも1g=9kcalですから、たくさんとればエネルギー過剰の原因となります。容器には必ずカロリーが表示されています。100gあたり900kcal前後のはずですから、確認する習慣をつけることをすすめます。
 脂質を適切にとるための具体的な実践方法については、脂質異常症の項(高脂血症の食事療法)を参照してください。