不整脈

解説
 ふつう、心臓はおよそ規則正しくうつものですが、これが速くなったりおそくなったり、または間隔が乱れるのが不整脈です。不整脈は手くびで脈をさわってみるとわかります。でも、くわしくは心電図検査心電図検査によらなければなりません。不整脈は、心臓が健全な人にも運動前後や神経の緊張で起こります。しかし、脈の乱れが続いたり、危険な不整脈が起こるのは病的で、心臓の病気がある場合に起こりやすいものです。


■不整脈の種類
 不整脈は脈が速くなる頻脈(ひんみゃく。あるいは頻拍〈ひんぱく〉)とおそくなる徐脈(じょみゃく)に分けられます。発生部位によって上室(心房)性と心室性にも分けられます。また、重症度によって、安全な不整脈と危険な不整脈に分類する場合もあります。
 なお、ここでは頻脈型の不整脈として期外収縮、心房細動、発作性上室頻拍、心室頻拍・心室細動を、徐脈型の不整脈としては洞機能不全症候群、房室ブロックを取り上げて順に解説します。
コラム

植え込み型除細動器(ICD)と皮下植込み型除細動器(S-ICD)

 植え込み型除細動器(ICD:implantable cardioverter defibrillator)は、心室頻拍や心室細動発作が起こったときに自動的に作動して電気ショックを与え、突然死を防ぐ装置です。植え込み手術は2時間程度で、鎖骨の下のあたりを小さく切開し、皮膚の下に植え込みます。心室細動を起こして救命され心臓の機能が低下している人や、ブルガダ症候群・QT延長症候群などで一度でも失神したことがある人には、ICDの植え込みがすすめられます。心機能のわるい人では、除細動機能付き両室ペースメーカー(CRT-D)の植え込みが第一選択になります。CRT-Dは、右心室と左心室の収縮のリズムを整え、心機能を改善させます。ICDやCRT-Dの植え込み後はふつうに日常生活を送ることができます。
 皮下植込み型除細動器(S-ICD:Subcutaneous-ICD)が日本でも使えるようになりました。左の胸の皮下に本体を入れて、リードは血管に入れずに皮膚の下を通して、胸骨の横に植え込みます。わるい不整脈が出たら、電流を流して除細動をするまったく新しいタイプのICDです。わるい不整脈が出たときに電流を流しますが、ペースメーカーの機能がないので、房室ブロックや洞機能不全があって、ペースメーカーの機能が必要な人には使えません。

コラム

カテーテルアブレーション

 正式名称は経皮的カテーテル心筋焼灼(しょうしゃく)術といいます。専用のカテーテルとからだの背部に貼った対極板の間で、高周波を流すことにより、カテーテル先端の温度が40~60℃になり、半径数ミリメートル範囲で心筋が凝固し、不整脈の原因をつぶす治療法です。
 最近では、心房細動の治療としてクライオ(冷凍凝固)バルーンやホットバルーンといって、カテーテル先端についたバルーン(風船)を冷やしたり、温めたりして治療する方法も出てきました。