【パリ時事】フランス国民議会(下院)選挙の決選投票が行われた7日、各地の投票所に有権者が続々と詰め掛けた。躍進が見込まれる極右野党・国民連合(RN)について、パリ市内では「真の右派だ」「権力を握ると危険」と賛否の声が上がった。
 「改革には賛成だが、マクロン大統領から必要な説明がなかった。ひどい対応だった」。無職アラン・ドボスさん(86)は、国民に不人気の年金改革に理解を示しつつ「コミュニケーション不足」と切り捨てた。
 金融機関の管理職アムリ・ポッゾディボルゴさん(50)は、現政権が「移民対策や治安強化を訴える世論を全否定し、破滅的な状況にした」と、極右候補に一票。総選挙は「真の右派が統治するフランスに向けた行進の始まりだ」とし、「RNが差別主義者というのはうそ」と主張した。
 一方、左派支持の学生マルボ・ギャストンさん(20)は、地元選挙区の決選投票に与党と極右の候補しか残っておらず、与党に投票。「RNは明らかなファシスト。権力を握ると危険だ。『反極右』の意味を込めて投票してきた」と話した。
 臨床心理士の女性(42)も「極右以外の候補」に一票を投じた。「夫は極右に投票した」と明かし、「極端な政党ばかり。もっと現実的な選択肢が欲しい」と嘆いた。 (C)時事通信社