金融庁と厚生労働省は2025年度税制改正で、個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の掛け金や受給開始年齢の上限引き上げを可能とする税制上の拡充を要望する。金融庁は21日、要望案を自民党の部会に示した。高齢期の家計を安定させるため、公的年金と併せて私的年金の環境整備も進める。年末の税制改正大綱に向け、政府・与党で議論する見通し。
 イデコは任意で加入でき、掛け金の全額を所得税を算定する際の課税所得から差し引ける私的年金。現行制度で、掛け金限度額は自営業者らが月額6.8万円、企業年金のない会社員が2.3万円で、受給開始年齢の上限は75歳となっている。
 ライフプランの多様化に応じた資産形成を促すため、掛け金額や受給開始時期の選択肢を広げる。掛け金などの上限を引き上げても所得控除の対象から外れることがないよう、制度の見直しとともに税制措置も求める方針だ。
 イデコに関しては、政府が今年6月に閣議決定した「新しい資本主義」実行計画の改定版でも、年末にかけて議論する年金改革の中で「大胆な改革を検討し、結論を得る」と明記していた。 (C)時事通信社