厚生労働省は5日、臓器移植を待つ患者が手術を受ける病院を複数登録できるよう、今年度中に体制を整備する方針を決めた。急な臓器提供があった場合、医師らの人員不足や手術室が使用中など、病院側の態勢が即座に整わないことを理由に優先順位の高い患者への移植が見送られる事例があり、課題となっていた。同省が移植医療体制改革の最終案を有識者委員会に示し、了承された。
 移植を希望する患者は、手術を受ける病院を日本臓器移植ネットワーク(JOT)に登録している。現状では原則1カ所しか指定できず、病院側が臓器の受け入れを断念すると、別の病院の患者に移植が行われる。複数登録が可能になれば、優先順位の高い患者が移植を受けられる可能性が高まる。JOTは施設を選ぶ際の参考となるよう、各病院の待機患者数や移植実施数を公表する。 (C)時事通信社