4月に開幕した大阪・関西万博では、来場者が自身の健康・医療データを提供することで、健康づくりに役立つさまざまなサービスを受けられるプログラムが用意されている。このうち、経済産業省は6月21日から7月7日まで、「食」や「ライフスタイル」といったテーマでイベントや展示を行う。「未来の健康社会」体験を提供する予定で、万博での展示を契機に事業化を目指す。
健康・医療データとは、健康診断、服薬履歴の情報や、スマートフォンなどに記録した脈拍、睡眠時間データなどのこと。こうしたデータを個人が管理、活用することは「パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)」と呼ばれる。
経産省は、本人同意の下、データ提供を受けた企業がその人に合った食生活などのアドバイスをするPHRの事業化を目指している。大阪・関西万博に出展するため、食品、医療関連業界など20社を選定。今年4月、データ提供者と事業者が活用できるサイトを立ち上げた。
万博では、例えば人工知能(AI)が来場者の健診データやその日の体調から会場内のレストランの中からお薦めメニューを提案するサービスを提供する。事業者は「自然に健康的な行動を取れるようサポートする」と語る。
仮想現実(VR)で敵と戦うゲームができるブースも出展予定。食事で摂取した野菜の量やカロリーに応じて来場者の武器の強さが変化する。
同省幹部は「少子高齢化が加速する中、健康寿命の延伸が大きな課題となっている。課題解決の鍵を握るのがPHRで、ビジネスとして確立させたい」と話す。 (C)時事通信社
個人データで健康づくり=事業化目指し万博出展―経産省

(2025/04/30 20:31)