【直近3ヶ月の患者数は昨年の2倍以上!】ビッグデータで解析する劇症型溶連菌の実態
日本システム技術株式会社
当社は、独自に保有しているレセプトデータを中心としたメディカルビッグデータ「REZULT」を基に、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)について独自調査を実施しました。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(以下、劇症型溶連菌)は、一般的な溶血性レンサ球菌(以下、溶連菌)がまれに引き起こす重篤な感染症です。劇症型溶連菌は突発的に発症し、短時間でショック症状や多臓器不全を引き起こすことがあり、その死亡率は約30%と報告されています。発症には様々な要因が考えられますが、重篤化する原因はまだ解明されていません。
2024年7月現在、劇症型溶連菌は新型コロナウイルスと同様に5類感染症に分類されており、医療機関は感染者が発生した場合、近くの保健所へ届け出を行う必要があります。
溶連菌は小児をはじめ、多くの方に馴染みのある病名です。最近のニュースでは、2023年及び2024年に溶連菌が劇症型溶連菌へと発展する事例が増加していると報じられています。本レポートでは、劇症型溶連菌についての理解を深めるために、レセプトデータを用いて患者数を抽出し、時系列の傾向や患者の特徴について調査結果をまとめました。
【集計条件】
調査対象:JASTの保有するレセプトデータ(約900万人 2024年7月時点)の内、
2017年1月~2024年3月診療、
傷病名コード「8841180:連鎖球菌感染症」「8845555:劇症型A群連鎖球菌感染症」
1.年別患者数の推移
2019年から2023年までの溶連菌患者数を年別に算出しました。グラフには、溶連菌患者数と劇症型溶連菌患者割合を示しています。溶連菌は感染症の一つであり、コロナ禍が始まった2020年には減少しましたが、2023年には再び増加しています。また、溶連菌患者数に対する劇症型溶連菌患者割合(※)は5年間で変動があるものの、およそ3%を維持しています。溶連菌患者数の増加は劇症型溶連菌患者数の増加にも繋がるため、現在の増加傾向に対して、手洗いなどの予防対策を徹底することが重要です。
※溶連菌患者数に対する劇症型溶連菌患者割合 = 該当する年について「劇症型溶連菌患者数」÷「溶連菌患者数」×100(%)
2.2023-2024年の変化
最近のニュースでは、劇症型溶連菌患者数の増加が連日報道されています。当社データでも、この傾向を調査した結果が以下の通りです。
2023年1月から6月までの6ヶ月間と、2024年1月から3月までの3ヶ月間において、劇症型溶連菌の患者数を調査しました。その結果、2024年の3ヶ月間の患者数は、すでに2023年の6ヶ月分の患者数の2倍以上に達していることが分かりました。国立感染症研究所が7月1日に更新した「国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について(2024年6月時点)」におけるA群溶血性レンサ球菌感染症の発生動向とも似通っており、2024年の感染者数増加が過去に類を見ないものであることが示されています。
今回はレセプトデータを用いて、溶連菌及び劇症型溶連菌の患者数を抽出し、その傾向を調査しました。その結果、2023年及び2024年に感染者が増加していることが判明しました。これらの溶連菌感染を防ぐためには、他の感染症と同様にこまめな手洗いなどの衛生管理、飛沫感染を防ぐ意識、そして傷口を清潔に保つことが重要です。
次回の調査では、当社のデータベースを活用し、劇症型溶連菌患者の特徴について詳しく調査を行います。今回のレポート及び今後の報告を通じて、皆様に劇症型溶連菌に対する理解を深めていただけるよう、有益な情報を提供して参ります。
■当社未来共創Labサイト内にも同様のレポートを掲載しております。以下をご参照ください。
https://www.jastlab.jast.jp/news-20240708/
■本件で利用したメディカルビッグデータ「REZULT」につきましては以下をご参照ください。
https://www.jastlab.jast.jp/rezult_data/
■未来共創Labについて
当社未来共創Labはメディカルビッグデータ「REZULT」活用や伴走型による新規商材開発を通し、他企業やアカデミア、自治体との連携を強め共創DXを推進している組織です。当社のデータと企業価値を高め、お客様の課題を解決するための可能性を広げるべく、今後も取り組みを進めて参ります。
また未来共創Labでは、SDGs(Sustainable Development Goals)目標3「すべての人に健康と福祉
を」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」へ向けて、メディカルビッグデータを利活用した健康増進を目的とし、産学連携での商材開発・共同研究を実施しています。
【関連情報】(本レポートは下記情報を参考にして作成されています)
厚生労働省 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137555_00003.html
国立感染症研究所 国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について (2024年6月時点)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/tsls-m/2655-cepr/12718-stss-2024-06.html
社会保険診療報酬支払基金 基本マスター
https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/tensuhyo/kihonmasta/
【本件に関するお問い合わせ】
日本システム技術株式会社 未来共創Lab
お問い合わせ:https://www.jastlab.jast.jp/contact/
未来共創Labサイト:https://www.jastlab.jast.jp/
▼日本システム技術株式会社 企業情報
https://www.jast.jp/
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当社は、独自に保有しているレセプトデータを中心としたメディカルビッグデータ「REZULT」を基に、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)について独自調査を実施しました。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(以下、劇症型溶連菌)は、一般的な溶血性レンサ球菌(以下、溶連菌)がまれに引き起こす重篤な感染症です。劇症型溶連菌は突発的に発症し、短時間でショック症状や多臓器不全を引き起こすことがあり、その死亡率は約30%と報告されています。発症には様々な要因が考えられますが、重篤化する原因はまだ解明されていません。
2024年7月現在、劇症型溶連菌は新型コロナウイルスと同様に5類感染症に分類されており、医療機関は感染者が発生した場合、近くの保健所へ届け出を行う必要があります。
溶連菌は小児をはじめ、多くの方に馴染みのある病名です。最近のニュースでは、2023年及び2024年に溶連菌が劇症型溶連菌へと発展する事例が増加していると報じられています。本レポートでは、劇症型溶連菌についての理解を深めるために、レセプトデータを用いて患者数を抽出し、時系列の傾向や患者の特徴について調査結果をまとめました。
【集計条件】
調査対象:JASTの保有するレセプトデータ(約900万人 2024年7月時点)の内、
2017年1月~2024年3月診療、
傷病名コード「8841180:連鎖球菌感染症」「8845555:劇症型A群連鎖球菌感染症」
1.年別患者数の推移
2019年から2023年までの溶連菌患者数を年別に算出しました。グラフには、溶連菌患者数と劇症型溶連菌患者割合を示しています。溶連菌は感染症の一つであり、コロナ禍が始まった2020年には減少しましたが、2023年には再び増加しています。また、溶連菌患者数に対する劇症型溶連菌患者割合(※)は5年間で変動があるものの、およそ3%を維持しています。溶連菌患者数の増加は劇症型溶連菌患者数の増加にも繋がるため、現在の増加傾向に対して、手洗いなどの予防対策を徹底することが重要です。
※溶連菌患者数に対する劇症型溶連菌患者割合 = 該当する年について「劇症型溶連菌患者数」÷「溶連菌患者数」×100(%)
2.2023-2024年の変化
最近のニュースでは、劇症型溶連菌患者数の増加が連日報道されています。当社データでも、この傾向を調査した結果が以下の通りです。
2023年1月から6月までの6ヶ月間と、2024年1月から3月までの3ヶ月間において、劇症型溶連菌の患者数を調査しました。その結果、2024年の3ヶ月間の患者数は、すでに2023年の6ヶ月分の患者数の2倍以上に達していることが分かりました。国立感染症研究所が7月1日に更新した「国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について(2024年6月時点)」におけるA群溶血性レンサ球菌感染症の発生動向とも似通っており、2024年の感染者数増加が過去に類を見ないものであることが示されています。
今回はレセプトデータを用いて、溶連菌及び劇症型溶連菌の患者数を抽出し、その傾向を調査しました。その結果、2023年及び2024年に感染者が増加していることが判明しました。これらの溶連菌感染を防ぐためには、他の感染症と同様にこまめな手洗いなどの衛生管理、飛沫感染を防ぐ意識、そして傷口を清潔に保つことが重要です。
次回の調査では、当社のデータベースを活用し、劇症型溶連菌患者の特徴について詳しく調査を行います。今回のレポート及び今後の報告を通じて、皆様に劇症型溶連菌に対する理解を深めていただけるよう、有益な情報を提供して参ります。
■当社未来共創Labサイト内にも同様のレポートを掲載しております。以下をご参照ください。
https://www.jastlab.jast.jp/news-20240708/
■本件で利用したメディカルビッグデータ「REZULT」につきましては以下をご参照ください。
https://www.jastlab.jast.jp/rezult_data/
■未来共創Labについて
当社未来共創Labはメディカルビッグデータ「REZULT」活用や伴走型による新規商材開発を通し、他企業やアカデミア、自治体との連携を強め共創DXを推進している組織です。当社のデータと企業価値を高め、お客様の課題を解決するための可能性を広げるべく、今後も取り組みを進めて参ります。
また未来共創Labでは、SDGs(Sustainable Development Goals)目標3「すべての人に健康と福祉
を」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」へ向けて、メディカルビッグデータを利活用した健康増進を目的とし、産学連携での商材開発・共同研究を実施しています。
【関連情報】(本レポートは下記情報を参考にして作成されています)
厚生労働省 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137555_00003.html
国立感染症研究所 国内における劇症型溶血性レンサ球菌感染症の増加について (2024年6月時点)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/tsls-m/2655-cepr/12718-stss-2024-06.html
社会保険診療報酬支払基金 基本マスター
https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/tensuhyo/kihonmasta/
【本件に関するお問い合わせ】
日本システム技術株式会社 未来共創Lab
お問い合わせ:https://www.jastlab.jast.jp/contact/
未来共創Labサイト:https://www.jastlab.jast.jp/
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(2024/07/11 14:03)
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