医療・医薬・福祉

住友ベークライト 単一素材で構成されリサイクルが容易な、医療機器包装用フィルムを開発

住友ベークライト株式会社
2025年度に量産、顧客への販売開始を目指す

住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤原一彦)は、当社が保有する樹脂配合・共押出多層フィルム加工技術を活かし、ポリエチレン系単一素材で構成されたモノマテリアルフィルムを開発しましたのでお知らせします。今般、その開発を完了し、リサイクルが容易な包装材として、医療機器包装向けに2025年度中の量産、販売開始を目指します。

背景
近年、気候変動や資源の枯渇といった環境問題への対応が必要となっており、このような状況下で包装廃棄物削減の取り組みの一つとして、リサイクル可能な包装材へのニーズが高まっています。
現在、幅広く使われている異素材の複合フィルムは、異なる素材を層状に組み合わせることで、軽量化や高い強度、防湿性、保存性などの優れた機能を実現しています。しかし、異素材が複雑に組み合わされているため、それぞれの素材を分離することが難しく、リサイクルが非常に困難とされています。その結果、廃棄物として処理される際には、焼却処理となるケースが多く、これにより二酸化炭素(CO2)やその他の温室効果ガスが排出されるという環境負荷の増大が問題視されています。
これらの課題に対処するためには、企業や消費者が連携し、資源の効率的な利用や廃棄物の最小化を目指したサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現が不可欠です。欧州ではすでに政府や国際機関による規制やガイドラインが整備されつつあり、プラスチック廃棄物削減やリサイクル率向上を目指した具体的な政策が進められています。
医療機器用包装材料 スミライト(R) CEL ポリエチレン・モノマテリアル フィルム・シート

住友ベークライトでは、この市場の要求に対し、単一素材でありながら、包装材に求められる強度や成形性を十分に有するフィルムの開発を進めてきました。当社の長年にわたる共押出多層フィルム加工の技術を活かし、フィルムをポリエチレン系単一素材による構成にすることで、リサイクル性を向上させながら、本開発のターゲットである医療機器包装で重視される耐熱性・易剥離性・耐ピンホール性・熱成形性を備えたモノマテリアルフィルムを開発しました。
お客様は、現在お使いの異素材複合フィルムと同じご使用環境のまま、モノマテリアル フィルムをお使いいただくことができ、医療機器包装のリサイクル化による環境負荷の低減を実現することが可能です。
本製品は2024年に開発を完了しており、現在、医療機器メーカー、医療機器包装材メーカーへの紹介を進めています。そして、2025年度中の量産、販売開始を計画しています。

スミライト(R) CEL ポリエチレン・モノマテリアル フィルム・シート


製品の特長●ポリエチレン系単一素材の構成により、使用後は素材単位に分離する必要が無く、リサイクルに適しています。
●特性の異なるポリエチレン系素材を組み合わせ、従来の複合素材製品と同等以上の特性を有します。









左:複合素材構成(例)                      右:ポリエチレン系単一素材構成


注記:このグラフは各フィルム・シートの特性を相対的に比較したもので あり、絶対的な特性値を示すものではありません。

仕様

注記:上記数値は代表値であり、保証値ではありません。

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES ()までご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

関連記事(PRTIMES)