治療・予防

3歳児健診で発見も-子どもの逆さまつげ
時期逃さず治療を

 子どもの目の病気のうち手術を必要とするケースが目立つのは、まつげが眼球に向かって生えている「逆さまつげ」だ。成長に伴い自然に治ることが多いが、症状や年齢によっては視力に悪影響を及ぼす可能性もあり、注意が必要だ。

 ▽原因は三つ

 逆さまつげの原因は大きく三つに分けられる。まぶたの皮膚がまつげを押して起こる「睫毛(しょうもう)内反症」、まぶた全体が眼球側にひっくり返る「眼瞼(がんけん)内反症」、まつげの生える方向が悪い「睫毛乱生症」だ。眼瞼内反症は、加齢に伴いまぶたの張りが失われる高齢者に多い。子どもに多いのが睫毛内反症だ。生まれつきであることがほとんどで、特に下まぶたに表れやすい。

睫毛内反症の術前(左)と術後(右)

 まぶたの内側には、まぶたを支える腱膜(けんまく)があり、腱膜から皮膚穿通枝(せんつうし)と呼ばれるまぶたの皮膚を引っ張る組織が伸びている。子どもは皮膚穿通枝の発達が不十分で弱いため、まぶたの皮膚がまつげを押して睫毛内反症を引き起こす。「子どもの顔は丸く、頬の辺りが盛り上がって下まぶたが押されやすいので、逆さまつげになりやすいのです。まぶたの縁、まつげの生え際が皮膚に隠れて見えないのが睫毛内反症の特徴です」と京都府立医科大学付属病院(京都市)眼科の渡辺彰英医師は話す。

 ▽経過観察や手術も

 睫毛内反症の症状は、目やに、涙、充血、まぶしさなど。子どもの場合、成長とともに顔の骨格が変化すると自然に治ることが多い。また、本人や周囲が気にするような症状がなく、眼球に傷がなければ経過を観察する。

 「子どものまつげは柔らかいので目に触れても刺激は少ないのですが、黒目の中心に近い部分に傷が見られる場合は、視力の発達不良を起こす可能性があるので、手術を検討します」と渡辺医師。

 手術は通常3日の入院で、全身麻酔により行われる。まつげの下の皮膚を切開し、その部分に皮膚が入り込むように糸で固定する。まつげの下に溝ができることで皮膚がまつげを押さなくなる。術後は次第に溝が浅くなり、数カ月から半年で見た目も気にならなくなる。

 睫毛内反症は、生まれつきであれば3歳児健診の視力検査時に見つかる。視力が1.0以上あり、症状がなければ経過観察でよいが、視力の発達不良があれば弱視になる可能性がある。渡辺医師は「視力の発達は6~7歳で止まるので、治療の時期を逃さないように。逆さまつげなど、まぶたの病気を扱う眼形成を専門とする眼科医に相談してください」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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