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第38回 こういうメール、部下は困っています 
~気付かずにやっていませんか~

 上司がつい、やってしまう迷惑な行動。その一つに「時間ぎりぎりメール」というのがあります。

写真はイメージです(EPA時事)

 部下としては、やめてほしいと思いながらも、伝えることができず、困ってしまう。そういうメールを受け取っている人は意外に多いようです。

 ◇上司すっきり、部下プレッシャー

 Aさんは30代、企業の総務に勤務しています。悩みは、金曜の午後5時半すぎに直属の上司から、しばしば届く業務関係のメールだといいます。

 メールには、締め切り時間の指示はありません。しかし、金曜の午後のその時間に「調べておくように」と言われて、そのまま放置するわけにもいきません。

 月曜の朝一番で回答してもいいのですが、そうすると、土日に心が休まりません。仕事を積み残した感じで週末を過ごすより、済ませてしまった方が気分はいいので、やってしまいます。

 でも、本当に困るのは、金曜の夜の予定を立てられないことです。金曜の夜に飲みに行こうと予定していて、上司からメールが入り、急きょ、キャンセルしたこともあります。

 ◇「連絡しているだけだから」

 以前、週末を利用して旅行を計画したので、その金曜は仕事を定時で終了する旨を伝えたところ、上司から、こう言われました。

 「メールを送るかもしれないけど、急ぎではないから、対応は週明けでいいですよ。金曜に送っているものでも、急ぎでなければ、対応しなくて大丈夫。私は自分のペースで仕事をし、連絡しているだけだから、気にしないでください」

 Aさんは何か、釈然としない気分になったそうです。

 上司は、金曜夜に仕事を全部済ませ、すっきりした気分になるかもしれません。しかし、メールを送られてきた部下は、気分的に解放感に浸れないのは事実でしょう。「やらなくていい」と言われても、「それでいいや」という気分にはなれないものです。

 時間指定で送信予約できるメールサービスやアプリはたくさんあります。思い付いたことをどうしても連絡しておきたいのなら、メールは書いておき、送信時間を週明けに設定しておくべきでしょう。

 上司には、それくらいの配慮が望まれるのではないでしょうか。

写真はイメージです(AFP時事)


 ◇日曜や早朝のメール

 金曜午後5時半のメールと同じくらい困るのは、日曜や早朝のメールだとも聞きます。

 20代のBさんは代理店勤務。代理店の営業は、勤務時間が長くなる傾向がありますが、Bさんが悩んでいるのは、直属の女性上司の連絡の仕方です。

 同じ女性としての気安さなのか、日曜や平日の早朝にもメールやLINEで仕事の連絡が来ます。思い付いたことをすぐ連絡しなければ気が済まないたちのようです。

 この上司も「気にしないで。思い付いたときに連絡しているだけだから」と言うのですが、メールを送られてきた方は休日の気分が消えてしまいます。

 そもそも、休日に緊急でもないのに、部下に仕事の連絡をすれば、精神的な負担をかけてしまいます。明確にパワハラと言えなくても、それに近い行為となる可能性は多分にあります。この女性上司は、そうした意識が薄いようで残念です。

 フェイスブックで友達になってしまい、休日の予定をアップするときに「上司が見ているかも」と思うと、何となく気分が委縮することもあると言う人もいます。


 ◇マイペース上司に振り回される

 メールをいつ発信するか。上司は気にしないかもしれませんが、部下は敏感に反応していることがしばしばです。

 夜中の2時くらいにメールが来ていて、「こんな時間に仕事をしているのか」と思い、朝、自分の予定があっても、「まずは上司の夜中のメールの件を片付けないと」とプレッシャーがかかるのです。

上司からメール? 写真はスマートフォンを手に練習するルーマニアの競泳選手=2016年7月31日、ブラジル・リオデジャネイロ(時事通信社)

 上司はたまたま、その時間にしか送信できなかっただけかもしれないし、思いついたアイデアをメールしたくなっただけかもしれません。

 しかし、それを受け取った相手は、緊急性を感じてしまいがちです。夜中のメールは、緊急の用件を除き、朝の設定にしてほしいというのが部下の本音でしょう。

 自分が仕事を終える週末の最後に、まるでたまったごみを捨てるように、部下にメールを送る習慣を持つ上司は部下に好かれません。

 夜中に、部下へ電話したり、メールしたりする上司も、けむたがられます。部下を持ったら、肝に銘じておいた方がよさそうです。

(文 海原純子)

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