医学生のフィールド

【サークル活動リポート】
知っておきたい「人生の資産形成」
社会起業家ら招き講演会―Team Medics

 国際的なコミュニケーション能力を身に付け、医療支援に生かそうと活動している医療系学生のボランティアサークル「Team Medics(チーム・メディックス)」が2月2日、東京都港区の東京慈恵医科大学で講演会を開催しました。

 金子裕氏
 今回、ゲスト講師として招かれたのは、社会起業家として知られる金子裕氏です。金子氏は、自らの経験を踏まえて人生における「資産形成」などについて語り、医師の人生設計について考える対談にも臨みました。(医療ライター・稲垣麻里子)

 Team Medicsは、訪日外国人らの診療をサポートするボランティアサークルとして、首都圏の医学生を中心に2015年に発足。ディスカッション形式による医療英語の勉強会を毎月1回行っているほか、「School Of Liberal Arts(SOLA)」と題し、さまざまな分野から講師を招く講演会を開催しています。国際イベントの医療サポートにボランティアとして参加するなど、実践活動にも取り組んでいます。

 ◇使い道が大切、健康や人も資産―金子氏

  金子氏は自らの会社で教育を軸にした事業戦略を企業に提供する傍ら、学校法人や公益団体の組織運営を支援。在日アーティストの海外出展サポートや、企業や団体の大規模な組織構築にも携わるなど幅広く活躍しています。

  この日の講演では、東南アジアへの移住経験や欧米での経験を社会の課題解決に関心が高まるきっかけとして紹介しました。人間の三大資産は経済資産(お金)、健康資産(時間)、関係資産(人)だといいますが、金子氏は社会の課題解決に向けた自分の活動について「時間やお金を捻出して、さまざまな社会投資をした結果、お金以外の資産が増えて、より豊かになっています」と話しました。

 医療とマーケティングについての話もしました。金子氏のアドバイスを受け、医学生らはグループごとに、年代によって資産の優先順位が変わることをどう考えながら医療サービスを提供するべきか、具体的な事例を使いながらビジネス設計の練習を行いました。

 ◇さまざまな仕事に楽しんで挑戦を―三宅氏

  引き続き、以前に「SOLA」の講師を務めたことがある三宅琢氏が加わり、「医療の新しいキャリア」というテーマで対談が行われました。

 三宅琢氏(左)と金子氏
 三宅氏は眼科医でありながら、企業30 社の産業医を引き受けているほか、建築家と全く新しいコンセプトの病院をつくったり、学生のキャリア支援を行ったりする社会起業家です。

 同じ眼科で開業医の姉は、過労で命の危険に直面したことがあるそうです。三宅氏は「日本の医療をよくするためには、まず医師が1人の人間として幸せになることが大切」であり、健康管理はもちろん、仮に病気や障害を抱えても幸せに生きていけるよう自分自身の将来設計を考えることがとても重要だと強調しました。

 「人間の三大資産をバランスよく保ちながら、医師の資格を生かしたさまざまな仕事を、楽しみながら挑戦してみることが大切」と三宅氏。「人工知能(AI)が発達しても、患者に心から寄り添えるドクターのニーズは確実に高まっていきます。そのためにも、コミュニケーション能力をどんどん磨いてほしい」と医学生らに語り掛けました。

 「Team Medics」のフェイスブック(https://ja-jp.facebook.com/TeamMedics2020/)はこの日の講演会の様子を紹介しています。(了)

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