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医師の顔が見え、うれしい 
コロナで注目-オンライン診療

オンライン診療の模様=外房こどもクリニック提供

 ◇精神科にはなじみやすい

 慶応大学医学部精神・神経科学教室の岸本泰士朗・専任講師は「精神科の診療はお互いの顔を見ながらの面接が大部分を占めるため、オンライン診療になじみやすい領域の一つだ」と強調する。世界的に遠隔診療の普及が進み、米国では医療機関の約6割が積極的に使用しているとの報告もある。

 岸本講師は「認知症の診療では継続する患者が多く、満足度も高かった。オンライン診療には時間がかかり、それに見合う診療報酬や工夫が必要だ」とした。その上で、80代の患者が家族の支援によってオンラインで受診し、「マスクなしの先生の顔を見てうれしかった」と語った事例を紹介した。

 ◇オンラインファースト

 東北大学病院は2012年からオンラインの「遠隔てんかん外来」に取り組んできた。同大学大学院の中里信和教授(てんかん学分野)は「てんかんという病気はあまり知られていない。小さな発作が多く、問診や家族の証言が欠かせない。患者1人の診療に1時間以上がかかることもあり、オンライン診療が適している」とした。その上で、「初診こそオンラインが向いている。『オンラインファースト』で、症状が落ち着いたところでかかりつけ医に担当してもらうのがよいだろう」とアドバイスした。

 ◇海外に比べ後れ

 東京大学大学院薬学系研究科の大倉政宏・特任研究員は、難病患者の視点から報告した。難病のメディア「RareS」が4月22~30日に行ったアンケートによると、新型コロナウイルスの感染拡大で「治療への影響が出た。今後治療への影響が出る恐れがある」との回答が81%に上った。

 「難病に苦しむ患者は、どこの病院に行き、どの先生に診てもらえればよいか、といった医療リテラシィー(情報)に詳しい」ものの、実際に治療が受けにくくなっている。対面による診療を補うオンライン診療について大倉研究員は「海外では新型コロナの影響で『テレヘルス』(オンライン診療)が急速に広がっているのに比べ、日本は遅れている」と指摘した。(鈴木豊)

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