見直される「かかりつけ医」
身近な医療ケアの専門家
「かかりつけ医」とは、体調が悪いときに何でも相談できる身近な医師のことだ。昔は、地域の診療所がその役割を担うことが多かったが、高齢者の増加や病気の多様化に伴い医療の専門化が進み、かかりつけ医を持つ意識が薄れてしまった。しかし、東京都医師会(東京都千代田区)の渡辺象、森久保雅道の両理事によると、「住み慣れた街でいつまでも元気で暮らすために、改めてかかりつけ医の存在が見直され始めている」という。
◇自宅近くで探す
患者は症状に応じて医療機関を探し、受診することが多い。それぞれの医療機関に服用している薬や体質など、同じことを何度も伝え、時には似た効能の薬が別々の医療機関から処方されてしまうこともある。
こんなとき、かかりつけ医に相談することができれば、患者の既往歴や体質、服用薬も考慮したアドバイスを受けられ、他の医療機関への紹介もスムーズだ。大病院と比べて待ち時間が短く、遠方の総合病院の治療を引き継いでくれることもある。
渡辺理事は「信頼できるかかりつけ医を見つけることは、大きな安心感につながります」と語り、森久保理事も「生活の質を左右するといっても過言ではありません」と強調する。
では、自分に合ったかかりつけ医はどのように探せばよいのだろうか。「地域の医師会に電話して遠慮なく聞いてほしい」と話す森久保理事。「地域包括支援センターや、増えつつある医療・介護連携支援相談窓口に聞くのも一つの方法です」と渡辺理事。病気になってから探すのではなく、健康なうちに見つけておくこと、通いやすいように、できるだけ自宅から近い場所で探すのがポイントだ。
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(2017/05/26 14:31)