出産に伴うリスク回避を=妊娠前から健康診断受けて
◇妊娠前から健康管理
近年は、出産の高齢化に伴う合併症の増加も懸念されている。同医会の調査で妊産婦の死亡原因の2~4位を占める脳出血・脳梗塞、古典的羊水塞栓症、心疾患・大血管疾患などは母親の年齢が高いほどリスクが高く、「肺血栓塞栓症なども今後増える可能性がある」という。
「妊娠高血圧症や妊娠糖尿病などは、出産後に良くなる人と継続的に治療が必要な人がいます。継続的な治療が必要になる人は年齢の高い方が多く、もともと持っていた体質的な要因が妊娠によって表れたとも考えられます」と石川部長。
加齢によってがんの発症リスクも高くなるため、妊娠前から健康診断で調べることが重要だ。妊娠中の健診で乳がんや子宮がんなどが見つかるケースもある。医療体制の整った病院での出産が必要かどうかを見極めるためにも定期的な健診は欠かせない。
「妊産婦死亡ゼロが目標ですが、今の医学では完全に防ぎきれないものもあります。妊娠前から健診を受けるなどして、少しでもリスクを回避し、出産に備えてほしい」と説明する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2017/05/30 10:54)