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肝がんにおけるタンパク質の新しい分泌機構の解明
〜肝がんの早期発⾒や新規治療法への応⽤に期待〜 東京慈恵会医科大学


 ④ 特記事項

 本研究は⽇本学術振興会 科学研究費補助⾦( JP18K15253 、 JP18K19484 、JP20H03519、 JP20K07621、 JP22K08063)や、国⽴研究開発法⼈⽇本医療研究開発機構(AMED)⾰新的がん医療実⽤化研究事業「早期肝がんに対するPKCδ を⽤いた新規⾼感度診断法の開発」(研究開発代表者:⼭⽥幸司)、AMED 橋渡し研究戦略的推進プログラム慶応拠点シーズA「核移⾏タンパク質の細胞外分泌を標的とした新規診断法の開発」(研究開発代表者:⼭⽥幸司)、AMED 橋渡し研究戦略的推進プログラム慶応拠点シーズA「抗PKCδ 抗体を⽤いた新規肝がん治療法の開発」(研究開発代表者:⼭⽥幸司)などの⽀援を受けて⾏われました。

 ⑤ ⽤語解説

 ※1 シグナルペプチド
 特定のアミノ酸配列のことで、分泌タンパク質は⾃⾝が有するシグナルペプチドに依
存して、⼩胞体やゴルジ体を通って分泌される(この分泌様式は“古典的な分泌経路”
などと呼ばれている)。これに対して、シグナルペプチドを有さないタンパク質の細胞
外分泌様式が知られており、総称して“型破り分泌”と呼ばれることもある。

 ※2 細胞質タンパク質
 細胞は細胞をかたどる細胞膜を境にして細胞内と細胞外で分けられるが、細胞内成分の
うち可⽤性の構成成分のことをいう。

 ※3 プロテオミクス解析
 タンパク質を⾼感度に分離して同定する技術のことで、試料中のタンパク質全体に対
して系統的・包括的に捉えることができる。

 ※3 オートファジー
 細胞質分⼦や細胞内⼩器官を取り囲み分解する機構のことで、⾃⾷作⽤ともいう。
ATG5 やATG7、LC3B などの重要な因⼦がすでに同定されている。

 ※5 ⼩胞輸送
 細胞内の物質輸送の⼿段の⼀つで、リン脂質⼆重膜に覆われ、内包されて移動し、標的
となる細胞内⼩器官や細胞膜の膜成分と融合する。

 ※6 抗体
 標的となるタンパク質の特定の部分のみを認識するタンパク質のこと。

(了)

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