治療・予防

薬嫌いの子に飲ませるには=基本ポイント押さえて工夫

 薬嫌いの子どもに服薬させるのは大変だ。昨日は飲んでくれたのにきょうは嫌がったり、何をしても飲んでくれなかったりと、親の頭を悩ませる。国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)薬剤部の石川洋一部長は「薬の飲ませ方はすべてオーダーメード。基本的なポイントを押さえた上で、その子に合ったやり方を幾つか用意しておくと、比較的うまく飲ませることができます」と話す。

 ◇甘みを上手に利用

 生まれた時は約3キロだった子どもの体重は1年で3倍以上、身長は約1.5倍にもなる。そのため、子どもの薬は成長に合わせて量の調節ができる粉薬や水薬が多い。

 新生児の頃は味の好みがまだ無く、多少苦い薬でもすんなりと飲んでくれるが、生後6カ月ごろになると自我が芽生え始め、次第に好き嫌いが出ておいしくないものは口に入れたがらなくなる。薬を飲んでくれないときは、甘みを利用すると良いという。粉薬なら、ガムシロップでほんの少し甘みを付けるだけで飲んでくれることがある。

 どうしても飲んでくれない場合に、石川部長が勧めるのは、市販のチョコレートスプレッドを利用する方法だ。油分が薬を包んで味を分かりにくくする。アイスクリームなども、冷たさが味覚を鈍らせ、苦みを感じにくくするという。「毎回同じ方法ではなく、幾つかのバリエーションを用意しておくと飲ませやすくなります」

 ただし、薬によっては混ぜてはいけない食品もある。例えば、胃酸で溶けるようコーティングされている薬を酸性のオレンジジュースなどに混ぜてしまうと、コーティングが溶けて薬の味が出てしまうので避けた方がいい。

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