Dr.純子のメディカルサロン

受動喫煙の法規制、今国会中に決着を=羽生田参院議員に聞く

 海原 党内で活発な議論が行われるのは良いことだと思いますが、受動喫煙防止に関しては一枚岩で法制化してほしいですね。折衷案だと狭い店では喫煙OKになりますよね。

 羽生田 本来は屋内全面禁煙にしたいのですが、そうすると経営が厳しくなるという主張があります。最終的な折り合いはついていません。

 海原 すべての店を禁煙にしても売り上げは変わらないという外国の調査論文もありますが。(→英文の要約版はこちら

 羽生田 そうですね。喫煙できる小規模な店で働く人や、上司が喫煙者で会社の宴会などでやむを得ず喫煙可能な店に行かなければならない人の受動喫煙をどう防ぐのかという問題もあります。一方で、法規制されれば店員がお客さんに「店の外で吸ってください」と言いやすくなるという声もあります。

 海原 確かにそうですね。アルコールに関しては法改正の結果、客が車で来ているのを知りながら酒を提供した場合には厳罰が科されるため、店側も客の顔色を見ないで簡単に注文を断れるようになりました。
 先日、屋内全面禁煙のパリに行きましたが、あれだけたばこが好きなパリジャンが店の中では絶対に吸わない。ただし、店外のテラスではたばこの煙で目が痛くて(笑)。法規制がないと屋内禁煙の徹底は無理だと思いました。

 羽生田 日本は100カ所以上も路上禁煙の場所があるのですが、それらをよく調べると「歩行禁煙(歩きたばこの禁止)」なんです。

 海原 つまり、立ち止まって吸えばいいことになってしまう、と。

 羽生田 私は路上には公衆トイレのように喫煙所を作ればいいと考えています。東京オリンピック・パラリンピックを機に室内禁煙にしたいという声がありますが、2008年の北京、10年のバンクーバーでは室内禁煙の対象を開催都市に限っていました。
 このため、たばこ議連の議員の中には東京だけ屋内禁煙にすればいいと言う人もいます。しかし私たちは、東京都外にも合宿地や競技場があるので、良い機会だから法制化したいと考えているのです。

 海原 ぜひそうしていただきたいです。法規制の議論はいつごろ決着しますか。

 羽生田 なんとか今の国会で決着させたいと思っています。

(2017年5月22日参院議員会館にて)
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