医療ADR

【連載第2回】使いやすい制度で和解目指す=公平性、専門性を担保―弁護士会医療ADR

 ◇当事者目線、制度改善に努力

 弁護士会医療ADRはいずれも、あっせん人には弁護士が就任する。医師が手続きに関与する場合も役割はおおむね補充的で、医師のみがあっせん人となる仕組みにはなっていない。

 一つには、当事者を紛争状態から和解へと導く経験とスキルを、広く医師一般に求めることは難しいためだ。医療ADRの目標は、当事者双方の納得の下で和解を成立させることで、医学的にいずれの主張が真実に近いかを判定することではない。

 また、医師があっせん手続きの中核を成すことには、公平性に対する疑問、抵抗感を患者側に抱かせる可能性があるとの指摘もある。

 ただ、必要な医学的知見に基づいた交通整理が行われず、非常にわずかな情報共有とうわべだけの理解に基づいた進行がされてしまうと、医療の実情を伝えたい医療機関側の同意は得られず、何があったのか知りたい患者側の納得も得られない。

 このため、事案解決にとって重要な点について医学的評価に争いがある場合などには、弁護士会によっては鑑定を行うなどの選択肢も用意されている。

 医療ADRは当事者双方が話し合い、納得に基づいて和解することが目標であり、制度は患者側、医療機関側それぞれの信頼の上に成り立っている。信頼の基礎となる制度の公平性と専門性は、人員体制の仕組みに始まり、進行手法などさまざまな局面で質が問われる。各弁護士会の医療ADRでは、手続きに参加した人たちにアンケートを取るなどして、制度を利用する当事者目線に立った制度改善に努めている。(了)

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