治療・予防

長引く風邪、もしや? =静かに流行する感染症―結核

 結核と聞くと、多くは「過去の病気」「予防接種を受けているし、自分には関係ない」と考えるかもしれない。だが、今も世界中で約150万人の死者が出ていて、日本では毎年約2万人が発病、2013年には2084人が命を落とすなど、決して過去の病気ではない。
 結核予防会結核研究所(東京都清瀬市)の石川信克所長は「今、結核は静かですが確実に流行しています。インフルエンザなどと同じで、職場や電車の中、街中で人からうつされることもあります」と警鐘を鳴らす。


 ◇体が衰弱すると発病
 結核は結核菌によって起こる感染症で、主に肺の組織を破壊する。せきやたん、微熱、倦怠(けんたい)感など風邪と似た症状から始まり、最終的には肺や気管支から出血する喀血(かっけつ)や、呼吸困難で死亡する。
 感染経路は排菌と呼ばれる菌を含んだ飛沫(ひまつ)が飛ぶ空気感染だが、感染しても免疫機能に抑え込まれて1年以上、ときには数十年も「冬眠状態」を保ち、体力が衰えたときに発病する。
 患者の多くは高齢者だが、若い人が発症するケースもある。近年では学校や職場、介護施設、ネットカフェなどでの集団感染が増えているという。
 日本人の結核に対する無関心さが、感染者がなくならない原因の一つとなっており、医師の側も患者が若いと結核の可能性を疑わず、風邪と決めつけたり、ぜんそくと誤診したりするケースも多いという。問題は診断が遅れている間も、患者が結核菌を排菌し続け、多くの人を感染させることだ。

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