治療・予防

筋肉の硬さとは無関係?=デスクワーカーの肩凝り

 厚生労働省の2010年の国民生活基礎調査によると、日本人女性の自覚症状で最も多いのが「肩凝り」(約13%)。デスクワーカーを悩ませる肩凝りのメカニズムや対策について、大阪大学医学部付属病院(大阪府吹田市)整形外科の菅本一臣教授に聞いた。

 ◇しびれと同じ現象?

 肩凝りは、「凝る」という言葉から肩の筋肉が硬くなることが原因と思われがちだ。しかし、筋硬度計などを用いて肩周辺の筋肉の硬さを測定し、肩に凝りを感じる人とそうでない人を比較すると、ほとんど違いが見られないという。「このことから、肩凝りの原因は筋肉そのものが硬くなっていることではないのが分かります」と菅本教授。

 では、肩凝りのメカニズムとは何か。肩は、肩甲骨と肘から上の骨(上腕骨)で構成されている。これらは、頸椎(けいつい)や肋骨(ろっこつ)から何層にも重なる筋肉でつり下げられた状態にある。したがって腕をだらりとさせ、力を入れなくても、腕の重さで常にそれらの筋肉は引っ張られていることになる。

 何層もの筋肉の間にはさまざまな血管や神経が走っているが、筋肉が引っ張られた状態では、間に挟まれた血管や神経は圧迫されてしまう。ちょうど輪ゴムを横にぴんと引っ張ると隙間が無くなってしまうのと同じだ。

 菅本教授は「長時間正座をしていると、膝の後ろの血管や神経が圧迫されて、足がしびれたり重だるくなったりしますが、それと同じ現象が肩で起きているのです。これが肩凝りの原因の一つと思われます」と説明する。

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