治療・予防

悩ましいへんとう肥大=繰り返す場合は手術も

 口の奥の両側にあるリンパ組織の集まりの「へんとう」。これが大きくなると、空気の通りが悪くなり、呼吸が苦しく感じたり、いびきがひどくなったりと、生活に支障を来す。笠井耳鼻咽喉科クリニック(東京都目黒区)の笠井創院長に治療について聞いた。

 ◇へんとう肥大の症状

 へんとうはアレルギーの原因物質や細菌、ウイルスなどに反応する防御機能を担っているとされるが、中には過剰に反応して炎症が起こり、大きく腫れてしまう人がいる。

 へんとうの大きさには個人差があり、12歳ごろまでは生理的にも肥大しているのが普通だが、炎症によって腫れがひどくなると、さまざまな症状を引き起こすことがある。

 へんとうが腫れて息の通り道が狭くなると、慢性的な鼻詰まりを起こして口呼吸になりやすい。寝付きや目覚めが悪くなったり、いびきなどの呼吸障害や睡眠時無呼吸症候群を発症したりすることがある。喉が狭くなって食べ物がうまく通らない、鼻詰まり声で発音が不明瞭になるなどの症状も見られる。

 へんとう炎はまず、抗生物質で炎症を抑える。大人でへんとうが肥大し、食事が喉を通りにくかったり、睡眠時無呼吸症候群などがあったりする場合には、レーザー治療やラジオ波凝固治療でへんとうを縮小させ、咽頭腔(くう)を広げることもある。

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