Dr.純子のメディカルサロン

詐欺に強いメンタルとは?

 ミャンマ―東部を舞台にした大規模な国際詐欺では日本の高校生も保護され、特殊詐欺が一般社会に入り込んでいることを目の当たりにしました。「自分だけは大丈夫」と考えている方も多いと思いますが、過信は禁物です。詐欺に遭わないためのメンタルについて考えてみたいと思います。

 まず詐欺に遭わないための前提ですが、「自分は大丈夫」と思っていると、「人に相談してみる」という考えが浮かばないものです。「自分の判断に間違いがない」という過信が、だまされていることに気が付かなくなり、詐欺に遭うリスクになります。

(文 海原純子)

 ◇詐欺の手口を知る

 詐欺に遭わないためには詐欺の手口を知ることが必要です。「だまされないようにしよう」と考えるより、「どういう人ならだまされやすいか」と考えることが必要です。

 例えば、電車の中やホームでどんな人ならスリに遭いやすいか、スリが狙いやすいかを想像してください。スマホに集中している人、居眠りしている人、ズボンの後ろのポケットにスマホが入れっぱなしの人、そういう人は危ないですよね。それが分かると対策ができるわけです。詐欺の場合も同じで、だまされやすい人にならないことが大事です。そして、詐欺のターゲットはその人の心の中にある「不安」あるいは「願望」と言えます。

特殊詐欺の被害や闇バイトでの犯罪加担をなくす警視庁のイベント

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 ◇「不安」「願望」の情報を流す

 現在の収入に不安がある、将来の収入に先行きの不安を感じている場合、あるいは貯金を少しでも増やしたいという願望がある場合、恋愛に対する願望が大きく、現在パートナーがいない場合、一発逆転で資金を得たい願望がある場合など、詐欺師は願望をくすぐる情報を流したり、不安をかき立てる情報を流したりします。

 高齢者の場合は「自分の身内が頼りだ」と思っている心理を利用してオレオレ詐欺をしたり、「家の屋根が壊れかけている」「下水を点検しないと危険」などと不安感を感じさせたりします。

 若者の場合は、SNSを利用して高収入が得られるなどの情報を流し、それに関心を持つ人をターゲットに決めて、さらに詳細な投資情報などを提供して信用させるように誘導します。

 だまされないためには、自分が現在どんな不安や願望を持っているのか、自分の心を見つめておく必要があります。不安や願望があるほど虫のいいSNSの情報を気にしていて、それを見てしまうという傾向があります。人は自分が見たいものだけ見て、聞きたいものだけ聞く、という心理がありますから虫のいい詐欺情報を信じ、人の意見を聞かなくなってしまうのです。それに気が付いておくことが詐欺に遭わないための対策になります。

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