臍帯血、安易な投与に注意=美容、アンチエイジング
血縁者や骨髄バンクドナーからの移植にしても臍帯血移植にしても、事前に抗がん剤や放射線照射で患者の骨髄の機能を弱める「前処置」という処置が必要になる。
「患者にも大きな負担をもたらす前処置だが、十分でなければ、残った自己細胞が移植された造血幹細胞や臍帯血を異物と認識して攻撃する拒絶反応という現象が起きてしまう」と矢野教授。さらに、「移植した細胞が患者に適合して活動を始める『生着』の後は、移植した細胞が患者の細胞を攻撃するGVHDという問題をしっかりと管理する必要ある。十分な知識と経験を持った医療機関で治療を受けることが大前提になる」と指摘する。
その上で「美容やアンチエイジングをうたっている医療機関の多くはこのような配慮をしていないと思われる。それはGVHDの怖さを知らないか、生着できない程度の量しか使っていないかのどちらかだ」と、安易な投与に疑問を呈した。(喜多壮太郎、鈴木豊)
- 1
- 2
(2017/10/06 17:19)