5人に1人「ストレスよく感じる」
遊べるかどうかで自己診断
ストレスの解消法を見てみよう。18年の調査では「テレビやビデオを見たり、音楽を聴いたりする」46.1%がトップで、「友人と会って、話をする」44.0%、「自分の趣味に没頭する」38.7%、「睡眠を十分に取る」37.4%と続いた。20%台は「風呂に入る」、「お酒を飲む」、「自分の好きな食べ物を食べる」などで大きな差はない。
「常識的な結果だと思う。ただ、こういう解消の仕方を理解していない人も少なからずいるのではないか」。井上教授は数字として示すことができるのは意味があるとした上で、「友人など気のおけない人たちと会い、会話することは大切だ。会話に夢中になれば、嫌なことも忘れる。カウンセリングの基本に通じるものもある」と続ける。
◇「笑顔」もポイント
誰にもストレスはあり、すべてが悪いわけではないが、過剰なストレスは心身の不調につながる。「例えば、受験勉強を一つの試練と捉えて乗り越えることができれば、その後の人生にプラスになる。ただ、働き過ぎなどは良くない結果を招く恐れがある」。月に残業が60時間を超えると、うつ病になったり、心臓や脳の血管に悪影響を与えたりすることもあるという。
自分で仕事の量をコントロールできればよいが、実際には難しい。上司や周囲の理解とサポートが不可欠だ。それに加え、井上教授は「セルフチェックでストレス過多を早期に発見するようにしたい」とアドバイスする。セルフチェックといっても、決して大変なことではない。サッカーや野球の観戦、テニスや山登りなど以前と同じように余暇を楽しめるかどうかが、一つの目安になる。「一言で言えば、遊べるかかどうか。落ち込んでいても、カラオケで2時間歌って楽しめる人は病気の可能性は低いだろう」
井上教授が挙げるもう一つの注意点は、ハッとさせられる。それは「笑えるかどうか」だ。ふさぎ込んでいて、話し掛けても返事をしない、冗談を言っても笑わない—。「こんな状態が終日で元に戻れば心配ないが、1〜2週間続くと『黄信号』がともったと考え、専門の医師に相談してほしい」と言う。(了)
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(2018/03/21 16:00)