周囲の環境調整が重要
自閉症の聴覚過敏
◇過ごしやすい環境を
「発達過程の中で日常的に音を聞いていると、聴覚過敏があるかどうかは分かりにくく、本人が不快と感じる音が聞こえる場所を避けるようになると、周囲からはさらに気づかれにくくなる」と高橋室長。また、自閉症スペクトラムの人は音に慣れにくい傾向があり、「混乱したり、大きな声を出したりするのは、周囲の音が不快なため、別の音を立てて不快な音を打ち消そうとしている可能性も考えられます」という。
自閉症スペクトラムの人が社会生活を送るためには、聴覚過敏について周囲の理解が欠かせず、「学校で子どもが大きな音を出すときには周囲の音を騒がしく感じている可能性もあります。静かで落ち着いた環境で過ごしてもらうことが対策の一つでしょう」と高橋室長。
公共交通機関や道路網の発達などで、音に過敏な自閉症スペクトラムの人にとっては過ごしにくい環境が増えている。音に対する過敏性は周囲からは分かりにくいが、音の強さはスマホなどでも簡単に測定できる。家庭や学校、職場で少しでも過ごしやすいよう周囲が環境を整えてあげることも大切だ。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2018/06/18 15:54)