優しい刺激が心身癒やす=不眠や不安を軽減―タッピングタッチ
ゆったりとしたリズムで優しく体に触れる「タッピングタッチ」という技法が、看護や介護、緩和ケアを行うホスピスなどの現場で広がりつつある。東日本大震災では、被災者のストレスや不眠を軽減したとの報告もあり、被災地でも活用できそうだ。考案した鈴鹿医療科学大学(三重県鈴鹿市)保健衛生学部医療福祉学科臨床心理コースの中川一郎教授に聞いた。
◇感情に上向きの変化
タッピングタッチは受ける人の背後から行う。手の指の腹で肩や背中、腰、首、頭頂部などに左右交互に軽く触れる。ゆったりとしたリズムの柔らかいタッチが続くことで不安や張り詰めた気持ちが和らぎ、体の緊張がほぐれ、痛みも軽減するという。
特別な技能や資格は要らず、誰でもどこででも行うことができる上、セルフケアの方法もある。症状が改善されることで、看護や介護、被災者支援など幅広い現場で活用されている。
「不安や寂しさ、自責の念などの否定的な感情が減り、楽しい、気が楽になるなどの肯定的な感情が増えます。会話が増え、互いを支え合う気持ちや行動などが表れることも分かってきました」と中川教授は説明する。
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(2016/11/11 11:15)