治療・予防

優しい刺激が心身癒やす=不眠や不安を軽減―タッピングタッチ

 ◇セロトニンが関与

 なぜ、左右交互に軽く触れるだけで効果が出るのか。中川教授らの研究によると、タッピングタッチによって、精神の安定に関わる物質セロトニンの血中の値が高くなり、痛みや不安、うつ的症状を軽減する効果があるという。また、6種類の気分の状態を判定するPOMSという指標で心理的な効果を測定したところ、「緊張・不安」「怒り」が抑制・軽減されていることも分かったという。
 さらに、中川教授らは、東日本大震災の避難所で、被災者同士互いにタッピングタッチを行うことで不眠が解消されたという効果を得ている。セロトニンは、生体リズムを整え、睡眠の質を左右するメラトニンと呼ばれるホルモンの分泌にも関与するため、不眠の改善につながったと考えられる。
 中川教授は日常的なタッピングタッチの活用を勧めている。長く続く不眠や気分の落ち込み、依存傾向や無力感などの症状が軽減されることもあり、家庭内の介護では、自分も何かしてあげることができるという充足感につながるという。
 「日本では、欧米のように体に触れて愛情や気持ちを表現する習慣がないので、お互いに触れたりケアし合ったりする機会が少なくなりがちです。気軽にお互いをケアし合うことのできるタッピングタッチは有効だと思います」と中川教授は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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