治療・予防

気になるわが子の発音
心配なら言語聴覚士に

 さまざまな要因によって発音(構音)が困難になる「構音障害」。言葉自体も発達途上である子どもの場合は、本当に構音障害なのか悩むことも多い。昭和大学歯科病院(東京都大田区)言語聴覚療法室に所属する言語聴覚士の武井良子さんと山田紘子さんに対応方法などを聞いた。

 ▽待つことも大切

楽しい雰囲気で、たくさんおしゃべり
 子どもの構音障害は、手術や先天性の病気などで唇や舌、歯、上顎、下顎といった構音器官の形そのものに問題がある場合と、構音器官に異常はないものの「赤ちゃん言葉」がいつまでもなくならなかったり、特定の音がうまく言えなかったりする場合に分けられる。

 子どもの問題には親は深刻になりがちだ。しかし、武井さんは「発達に伴って改善されることが多いので待つことが大事です」と強調する。サ行とザ行、ラ行の発音は習得時期が遅いといわれ、6~7歳になってようやく発音できるようになることも多い。

 子どもが間違った発音をしたときの対応も重要だ。「『さかな』を『しゃかな』と発音しても、『さかなでしょ?』と言い直しを強要するような否定的な言い方をするのではなく、『そうね、さかなね』と正しい発音を聴かせるのがこつ」と武井さん。自信を無くすことで話さなくなる子どももいる。子どもに楽しくたくさん話をさせることが一番の練習になる。

 ただし、「赤ちゃん言葉」と異なって、発音の癖は自然には改善しないことが多い。山田さんは「舌を横に寄せて発音してしまう『側音化構音』では『キ』が『チ』のように聞こえますが、明らかに違う音に聞こえるわけでもないため見過ごされがちです」と注意を促す。発音の誤りが直らないまま成長して大人になってから病院を受診するケースも多い。

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