治療・予防

中高年女性に多い髄膜腫
生活考慮し治療方針

 ▽セカンドオピニオンも

 治療はまず手術が検討される。患部を全て取り除けば治癒するが、腫瘍が脳の深い場所にある場合や、多くの神経を巻き込んでしまっている場合は、体の機能を温存できる範囲で患部を摘出し、生活や仕事に影響を与えないことを目指す。一方で鮫島講師は「腫瘍が見つかっても、その時点で症状がなく、さらに観察を続けて腫瘍が大きくならない場合は、急いで治療を行う必要はないと考えます」とする。

 逆に「腫瘍が増大するペースが速ければ、早期の手術を考えます」と同講師。特に髄膜腫が発生することの多い子育て世代の女性では、手術は患者本人の都合だけではなく、子どもの進学や家庭の事情なども考慮して時期を決める必要が出てくる。病院で手術を勧められても、いったん、セカンドオピニオンを求め、手術の時期や依頼する医師を慎重に選ぶことも大切だ。

 鮫島講師は「患者と向き合い、生活の質を確保しながら治療していくことが、髄膜腫治療の根幹です」と強調した。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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