治療・予防

中高年女性に多い髄膜腫
生活考慮し治療方針

手術のタイミングを見極めるのが重要
 脳を覆うくも膜の細胞から発生する「髄膜腫」は、脳腫瘍の中で最も発生数が多く、脳ドックの普及で偶然発見されることが少なくない。ほとんどが良性で治る可能性は高いが、浜松医科大学医学部付属病院(浜松市)脳神経外科の鮫島哲朗講師は「年齢や症状、腫瘍の大きさ、発生した場所によって、対応は異なってきます」と話す。

 ▽症状がない場合も

 髄膜腫は40~60代の女性に多いため、女性ホルモンが影響しているとされた時代もあったが、ホルモン治療はほとんど効果がなかったという。鮫島講師は「遺伝的な影響もなく、現在では原因不明といわれています」と説明する。

 髄膜腫は腫瘍のできた場所により症状が異なってくる。「例えば、手足を動かす運動野の近くに腫瘍ができると、腫瘍が大きくなるにつれて神経を圧迫し手足にまひが出ることがあります。脳の深部に発生した場合は、視力が落ちる、耳が聞こえなくなる、飲み込みができない、顔の感覚がおかしい、物が二重に見えるといった症状が出てきます」と鮫島講師。

 腫瘍はゆっくり大きくなるため、症状が出るまでには時間がかかる。症状があっても、違う病気で病院に行って、検査するまで気付かなかったというケースもある。

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