FEATURE レポート紹介

「挑戦したい」がここにある
=日本最大級の学生医療団体―IFMSA=

 国際医学生連盟IFMSA(International Federation of Medical Students’ Associations)は非営利・非政治の国際NGOで、IFMSA-Japanはその日本支部に当たる。大学医学部や医療系サークルなどの団体・個人で構成され、2017年4月時点の無料メーリングリストには約2500人が登録する国内最大級の医療系学生団体だ。

世界医療学べる舞台

母体のIFMSAは世界保健機関(WHO)や国連教育科学文化機関(ユネスコ)など、国際機関と公式な関係を結ぶ唯一の医学生団体で、120以上の国・地域から約130万人以上の学生が参加している。
 IFMSA-Japanは、交換留学に関する委員会「Exchange」や性と生殖・AIDSに関する委員会「SCORA(Standing Committee On Sexual & Reproductive Health including HIV/AIDS)」など5委員会で成る。
 国内では年1度「日本総会」が開かれ、アジアの代表が集まる「アジア太平洋地域会議」、世界の支部代表が集まる「世界総会」などにも参加する。17年9月には、10年ぶりに日本で「アジア太平洋地域会議」を開催。東南アジアやアフリカでの保健衛生活動、交換留学のサポートなどの活動も積極的に行っており、世界の医療を学べる絶好の機会が用意されている。

パワーポイントなどを使って発表、議論する

日本総会の集合写真。全国各地から400人以上の医学生が参加する一大イベント

パワーポイントなどを使って発表、議論する

世界総会の様子。国際的な医療の問題についてディスカッションを行う

パワーポイントなどを使って発表、議論する

IFMSA-Japanの役員たち。
組織を運営する自覚を持ちながらも素顔はどこにでもいる医学生だ

組織しっかり、広報対応も

役員は代表、副代表をはじめ、企業やメディアへの広報窓口となる外務担当、予算割り当てを行う会計担当、各委員会の責任者など二十数人で校正される。すべてが医学生で、2000人以上のスタッフを抱える大企業のようにしっかりと組織化されている。
 別団体の医学生は「IFMSAの幹部は、(責任感を持ち活動しており)すごい人たちばかり。医学生にとっては雲の上の存在です」と話す。組織の規模が大きなことが背景にあるが、運営しているのはあくまで医学生で、素顔は普通の学生と変わりない。
 代表の産業医科大5年塚田凪歩さんは「海外の国際会議や全国各地の説明会への参加など、拘束される時間は確かに多いです。でも、大変かどうか聞かれると、私の感覚としてはそうでもありません。学生のうちから大きな組織を俯瞰(ふかん)し、さまざまな人たちと会えるのは本当に貴重な経験、財産です」と話す。大学ではサッカー部のマネジャーを務めていた経験があり、当然、自身の学業にも励む。よく笑いよく学ぶ一人の医学生だ。

パワーポイントなどを使って発表、議論する

代表の塚田さん。
飾らない等身大の言葉でIFMSA-Japanについて話してくれた

『代表っぽくない』は褒め言葉

代表としての心掛けについて、塚田さんは「組織が大きくなれば、役員と参加者の距離感は遠くなりがちだ。だからこそ、気軽に相談してもらえる存在でありたいと思っています。よく『代表っぽくないですね』と言われます。私にとっては褒め言葉ですね」と話す。
 さらに塚田さんは「各委員会が、それぞれのテーマに基づいて活動しています。組織ですから方向性はありますし、考え方の相違もあるでしょう。ただ、方向性の前に共に活動していく『人』がいます。『この人がいる組織なら楽しいことができそう』と思ってもらえるよう、代表である前に一人の人間として見られたいし、接していきたい」と強調した。
 平和と人権、性に関する問題、最先端のチーム医療など、IFMSA-Japanには医学生が挑戦したいすべてがあると言っても過言ではない。しかし、行動の源泉はすべて当人にある。
 「IFMSA-Japanにはたくさんの学ぶ機会や舞台があります。でも、学生団体ですから強制力はありませんし、参加するのも辞めるのも本人の自由。つまり『やりたい』とか『学びたい』とか自主的な気持ちがなければ続きません。私たち役員は個々の活動をサポートし、そして『参加したい』と思ってもらえるよう団体の魅力を伝えていきます」と塚田さんは話す。
 「忘れたくないのは私自身も参加者であること。規模は大きいですが、活動を行うのは一人ひとりの人間です。私も共に学び、成長していきたいと思っています。『IFMSA-Japanの代表』ではなく一人の『塚田凪歩』として」