女性アスリート健康支援委員会
連載趣旨と略歴
日本スケート連盟(JSF)は2030年までの長期間を見据えた強化体制「プロジェクト30」プランを構築し、メダル獲得競争でも世界第2位になることを目指している。29年シーズンがJSF創設100年の大きな節目でもあり、30年冬季五輪はまさにその集大成の機会となる。
このプロジェクトには、女性アスリートがより活躍し、引退後の道筋を示す対策も盛り込まれており、他の競技団体のモデルケースになり得る。独自に創設したエリートアカデミーも開校2年目を迎え、選手たちに将来の選択肢を教える画期的な授業などもある。この活動をけん引するスケート部門の強化育成責任者、湯田淳強化育成ディレクターに話を聞いた。聞き手は、スピードスケートの女性アスリートを長年サポートしている拓殖大学の鈴木なつ未准教授。
湯田 淳(ゆだ・じゅん) 日本女子体育大学教授(スポーツ科学)。博士(体育科学)。1972年7月31日、秋田市生まれ。秋田高3年で全国高校総体男子1500メートル3位。筑波大学、同大大学院、社会人でも競技を続け、1999年に現役引退。2000年から日本スケート連盟科学サポート責任者として活動し、14年にスピードスケート強化部長、20年からショートトラック強化部長を兼務。22年からスピード強化育成ディレクター。
鈴木なつ未(すずき・なつみ) 拓殖大学准教授。拓殖大学卒業後、筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻修了。博士(スポーツ医学)。その後、独立法人日本スポーツ振興センターが運営する国立スポーツ科学センターなどで研究員を務めたほか、日本オリンピック委員会強化スタッフ、日本スケート連盟スピードスケートで科学スタッフなどとしても活躍。2021年1月からは全日本柔道連盟医科学委員会特別委員も務める。