2015年より東京外科クリニックにおいて若手メンバーを率い、多くの難題に挑戦し続けてきた山高篤行医師は、同時期に順天堂大学小児外科学教室の主任教授を兼務し、小児外科領域で圧倒的な臨床実績と教育的貢献を果たしていた。だが、兼務という立場上、当時は東京外科クリニックの現場をスタッフにある程度委任せざるをない期間があった。
2024年4月に至り、ついに主任教授の座を後任に引き継ぎ、山高医師は東京外科クリニックに活動の軸足を大きくシフトさせた。これにより、彼は成人を含む幅広い患者に対して、日帰り手術をはじめとした低侵襲性の外科治療に専念することが可能となったのである。
山高医師自身は常に「医師としての守備範囲」を広く保ち、あらゆる疾患に真摯に向き合う姿勢を貫いてきた。小児外科における多岐にわたる疾患や複雑な手術経験は、その応用範囲を成人領域へも自然に拡張させる素地となっている。病気そのものに対する飽くなき探究心、そして患者を中心に据えた治療理念は、臓器や年齢層にとらわれず、普遍的な価値を持つ。彼は順天堂大学で国内最多規模の小児手術、特に胆道閉鎖症や嚢胞性肺疾患、尿道下裂に対する高度な低侵襲手術手技を確立し、国際的な評価を得てきた。その実績は、腹腔鏡・胸腔鏡・後腹膜鏡およびロボット支援手術を駆使した小児外科治療の進展に大きく貢献している。
この豊富な知見と技量を新たな地平へと導くため、山高医師は「東京外科クリニック」の開院当初より様々なプロジェクトを主導してきた。同クリニックは、彼の存在とビジョンを体現するために設立されたと言っても過言ではなく、2024年には院長に就任。これまで小児外科分野で築いた手術技術や患者中心の医療哲学を継承しつつ、東京外科クリニックでは成人患者をも対象にした日帰り手術を軸に新たな診療スタイルを確立している。
高度な内視鏡手術を、より幅広い世代の患者に適用することで、より短い入院期間、早期回復、生活の質向上を目指す。その理念は「この子が我が子なら」という思いを年齢や疾患領域を超えて拡張させるものであり、山高医師は今後も研究と研鑽を重ね、日帰り手術における新たなスタンダード構築に邁進している。
こうした広範な関心と多面的な実践力こそが、山高医師という外科医を特別な存在たらしめている。2024年以降、彼の下でより自由度の増した東京外科クリニックは、「低侵襲、日帰り、研究、教育、現代医療に相応しいepicenter《中心地》」として、患者一人ひとりに最良の治療を提供し続ける新たなステージに入ろうとしている。
山高医師は優れた教育者としても知られ、後進の育成に心血を注ぎ続けている。「私は順天堂で外科のトレーニングを受け、外科医になりました。ですから、順天堂でどのようなトレーニングを積めば、実力ある真の外科医になれるかを知っている指導者です。日本国内のみならずアジア、世界のために、幅広い外科領域で患者を的確に治療できる外科医を育成することが私の責務と考えております」(山高医師)
多様な疾患や臓器に対応する外科医は、専門性を磨く一方で、特定の領域に留まらず患者全体を総合的に診る“Primary care”の視点を得ることが求められる。山高医師が培ってきた経験豊富な臨床環境では、多種多様な症例に触れ、多角的な視点で患者を理解し、確かな技術と全身管理能力を身につけることが可能であった。このような教育現場は、若手医師が厳しい修練の中で自らの「型」を鍛えあげ、一朝一夕では身につかない卓越した技能と洞察力を獲得する上で最適な場となっている。
「百聞は一見に如かず」との信念のもと、山高医師は大学院生、研修医、医学部学生に対して実践的な手術手技トレーニングを行い、さらには海外留学を奨励している。こうした国際的な視野と知見を持ち帰った若い医師たちが、世界水準の医療・教育・研究を持続的に実践し、さらなる高みへと挑戦する原動力になっている。
ラグビーに青春を捧げた学生時代、監督から叩き込まれた「追求する姿勢に妥協はない」という言葉を胸に、山高医師は外科医としての道を選んだ。超高度な技能を有する専門医や指導医が結集し、全力で協力し合うチームワークは、まさに緻密な連携が求められる外科チーム医療に通じるものがある。
「優れた外科医は、一日にして成らず。日々小さなことを積み重ね、不断の努力と前進を続けてはじめて、自分だけの境地に到達することができる」と山高医師は説く。順天堂が脈々と受け継いできた「仁」の精神を指針に、彼は若い医師たちが心身を磨き、患者を慈しむ心を養う場を提供し、彼らが未来を照らす存在となることを心から願っている。その志のもと、山高医師は今もなお、「医師はもはや自分自身のものではなく、病める人のための存在である」という言葉を胸に、外科道を探究し続けている。
山高篤行 医師 (やまたかあつゆき)
東京外科クリニック
東京都千代⽥区神⽥⼩川町2-6 ⼤宮第⼆ビル2階
- 外科
- 院長
専門
小児外科、小児泌尿生殖器外科を専門とし、特に小児腹腔鏡・胸腔鏡手術に力を入れおり、近年はロボット支援手術を行っている。新生児外科全般、胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、Hirschsprung’s病、尿道下裂、腎盂形成術などに精通。
医師の紹介
診療を受けるには
予約優先、予約なしで受診可能。詳細はクリニックホームページ参照
医師プロフィール
1985年3月 順天堂大学医学部卒業
1985年6月 順天堂大学医学部附属順天堂医院外科研修医
1987年6月 順天堂大学医学部附属順天堂医院小児外科助手
1990年2月 英国Liverpool王立子供病院留学
1991年2月 英国London Great Ormond子供病院留学
1991年8月 豪州Brisbane王立子供病院及びPrincess Alexandra 病院留学
1992年3月 順天堂大学医学部附属順天堂医院助手
1993年1月 順天堂大学にて医学博士の学位取得
1994年7月 獨協医科大学第一外科講座助手
1995年7月 順天堂大学医学部小児外科学講座臨床講師
1996年3月 ニュージーランドOtago大学付属Wellington病院小児外科留学
1997年1月 順天堂大学医学部小児外科学講座講師
1999年1月 順天堂大学医学部小児外科学講座助教授
2006年8月-現在 順天堂大学医学部小児外科学講座主任教授
2012年12月-現在 東京医科大学消化器・小児外科学分野兼任教授
2016年 東京外科クリニック日帰り手術専門チームに参画
2024年 東京外科クリニック院長 順天堂大学医学部特任教授
1985年6月 順天堂大学医学部附属順天堂医院外科研修医
1987年6月 順天堂大学医学部附属順天堂医院小児外科助手
1990年2月 英国Liverpool王立子供病院留学
1991年2月 英国London Great Ormond子供病院留学
1991年8月 豪州Brisbane王立子供病院及びPrincess Alexandra 病院留学
1992年3月 順天堂大学医学部附属順天堂医院助手
1993年1月 順天堂大学にて医学博士の学位取得
1994年7月 獨協医科大学第一外科講座助手
1995年7月 順天堂大学医学部小児外科学講座臨床講師
1996年3月 ニュージーランドOtago大学付属Wellington病院小児外科留学
1997年1月 順天堂大学医学部小児外科学講座講師
1999年1月 順天堂大学医学部小児外科学講座助教授
2006年8月-現在 順天堂大学医学部小児外科学講座主任教授
2012年12月-現在 東京医科大学消化器・小児外科学分野兼任教授
2016年 東京外科クリニック日帰り手術専門チームに参画
2024年 東京外科クリニック院長 順天堂大学医学部特任教授
所属学会
【国際学会】太平洋小児外科学会(PAPS)、国際小児内視鏡外科学会(IPEG)、英国小児外科学会(BAPS)、アジア小児外科学会(AAPS)、欧州小児外科学会(EUPSA)、国際小児外科リサーチシンポジウム(ISPSR)、米国小児外科学会(APSA)、米国小児科学会 (AAP)
【国内学会】日本小児外科学会、日本小児泌尿器科学会、日本内視鏡外科学会、日本ロボット外科学会、日本外科学会、日本小児内視鏡外科・手術手技研究会、日本周産期・新生児医学会、日本二分脊椎研究会、日本膵・胆管合流異常研究会
【資格】
日本小児外科学会認定指導医・専門医、日本外科学会認定指導医・専門医、日本内視鏡外科学会技術認定取得者、日本小児泌尿器科学会認定医、臨床修練指導医
【国内学会】日本小児外科学会、日本小児泌尿器科学会、日本内視鏡外科学会、日本ロボット外科学会、日本外科学会、日本小児内視鏡外科・手術手技研究会、日本周産期・新生児医学会、日本二分脊椎研究会、日本膵・胆管合流異常研究会
【資格】
日本小児外科学会認定指導医・専門医、日本外科学会認定指導医・専門医、日本内視鏡外科学会技術認定取得者、日本小児泌尿器科学会認定医、臨床修練指導医
主な著書
※編集・共著含む
Yamataka A, Lane G, Cazares J: Congenital biliary dilatation, Pediatric Surgery: Vol.1: General Principles and Newborn Surgery, 1st Edition, Puri P, ed, Springer, New York, 1145-1163, 2020
Yamataka A, Miyano G, Azuma T: Laparoscopy-assisted pull-through for Hirschsprung disease, Atlas of Pediatric Laparoscopy and Thoracoscopy, 2nd edition, Holcomb GW, Rothenberg SS eds, Elsevier, London, 91-103, 2021
『スタンダード小児内視鏡外科手術 押さえておきたい手技のポイント』(2020年メジカルビュー社)
『標準外科学 第16版』(2022年 医学出版)
『今日の治療指針 2022』(2022年 医学書院)
『小児外科看護の知識と実際 (臨床ナースのためのBasic & Standard)』(2010年メディカ出版)
『最強ドクターの奇跡』(2008年 扶桑社)
Yamataka A, Lane G, Cazares J: Congenital biliary dilatation, Pediatric Surgery: Vol.1: General Principles and Newborn Surgery, 1st Edition, Puri P, ed, Springer, New York, 1145-1163, 2020
Yamataka A, Miyano G, Azuma T: Laparoscopy-assisted pull-through for Hirschsprung disease, Atlas of Pediatric Laparoscopy and Thoracoscopy, 2nd edition, Holcomb GW, Rothenberg SS eds, Elsevier, London, 91-103, 2021
『スタンダード小児内視鏡外科手術 押さえておきたい手技のポイント』(2020年メジカルビュー社)
『標準外科学 第16版』(2022年 医学出版)
『今日の治療指針 2022』(2022年 医学書院)
『小児外科看護の知識と実際 (臨床ナースのためのBasic & Standard)』(2010年メディカ出版)
『最強ドクターの奇跡』(2008年 扶桑社)
医師発信欄
東京外科クリニック:https://www.tokyogeka.com/
(更新日:2025年1月17日)