屋嘉比康治 医師 (やかびこうじ)

埼玉医科大学かわごえクリニック

埼玉県川越市脇田本町21-7

  • 消化器内科、機能性消化管障害外来
  • 院長
  • 埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科 特任教授

消化器科 内科

専門

消化管疾患全般、酸関連疾患、機能性消化管障害など

屋嘉比康治

 屋嘉比康治医師は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍をはじめとする消化管疾患を幅広く診療してきた。近年、ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)の除菌治療が広まると胃・十二指腸潰瘍が大幅に減り、代わって機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などの機能性消化管障害で受診する人が増えてきたという。
 機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群は、内視鏡検査を行っても炎症などの病変が見つからないのにもたれや膨満感、腹痛、下痢、便秘などさまざまな腹部症状に悩まされる病気だ。その発症にはストレスの関与が多く見られる。
「ローマ委員会(世界中の専門家による委員会)は、機能性消化管障害を『腸―脳相関の障害』、つまり『消化管と脳との連携の障害』と定義しています。というのは、自律神経と消化管ホルモンを軸として腸からの信号が脳に伝わり、脳からも消化・吸収機能の調節やホメオスタシスを維持するために胃腸の機能に影響を与える信号を送っています。このように消化管と脳が連携してスムーズな食事やその後の消化・吸収活動、排泄を実現しているわけで、心―脳―胃腸の連携が大事なのです。もし心理的ストレスが発生すると、消化機能や分泌活動、さらに胃腸の運動も影響を受けます。機能性ディスペプシアでストレスなど心理的因子の関与が重視されているのは、ストレスによりこれらの腸―脳相関が混乱して消化管の機能が影響されるからです。患者さんの中には、ストレスの存在を指摘され、さらにその悩みを理解しいたわる言葉をかけられることによって症状が治まる方も珍しくありません」(屋嘉比医師)
 機能性ディスペプシアに対しては、問診でしっかり話を聞き、生活上の問題やストレスを洗い出していく。一方で、ピロリ菌に感染していればまず除菌治療を行い、感染していなければ、アコチアミドなどの消化管運動機能改善薬や、胃酸分泌抑制薬、六君子湯などによる薬物療法を行う。それと同時にライフスタイルを改善するという、2本立てで治療を進める。
「機能性ディスペプシアの場合、脂肪分や炭水化物のとり過ぎは症状を悪化させることがあります。過食を控えるとともに、ストレスを和らげるためにリフレッシュする時間を作る、対応力をつける、睡眠不足にならないよう注意することも心がけてください」(屋嘉比医師)

診療を受けるには

初診・再診にかかわらず予約が必要(電話可)。紹介状は必要だがなくても対応可能。
屋嘉比医師は埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科 特任教授も兼任しており、同大学総合医療センター消化器・肝臓内科でも診療を受けることが可能。総合医療センターの受診は、事前に病院に要確認。

他の勤務先

■ 埼玉医科大学総合医療センター
埼玉県川越市鴨田1981
TEL: 049-228-3400

医師プロフィール

1976年 東京大学医学部 卒業
1978年 同大学第3内科 入局
1986~1988年 ミシガン大学 留学
1988年 帝京大学医学部第3内科消化器研究室 助教授
2004年 埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科 教授
2018年より現職
(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科 特任教授を兼務)

所属学会

日本内科学会認定医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化管学会専門医・指導医

主な著書

『「胃腸がつらい」が続くあなたへ 機能性ディスペプシアかIBSかも』(2022年ライフサイエンス出版)

医師発信欄

埼玉医科大学かわごえクリニック:https://www.kc.saitama-med.ac.jp/
(更新日:2024年11月12日)