高橋寛二 医師 たかはしかんじ

関西医科大学附属病院

大阪府枚方市新町2-3-1

  • 眼科
  • 非常勤講師

眼科

専門

黄斑疾患、網膜硝子体疾患、眼腫瘍、白内障、レーザー眼科学

医師の紹介

加齢黄斑変性は加齢や生活習慣などが原因で起こり、日本人の視覚障害原因の第4位とされる疾患。完全に視機能を回復することは困難であるため、現状維持により悪化を防ぐことが重要となる。高橋寛二医師は、この加齢黄斑変性をはじめとする網膜硝子体疾患を専門としている。
加齢黄斑変性が疑われる場合は、眼底検査や蛍光眼底造影、光干渉断層計(OCT)により検査を行う。「近年、大規模病院であればOCTがさらに進化したOCTアンギオグラフィ(OCT-A)も使われるようになりました。この検査は造影検査を受けられない人も受けることができ、新生血管の状態を確認することが可能です」(高橋医師)
現在、治療の主流は注射による抗VEGF療法だ。「抗VEGF薬を硝子体に注射することで、軽症の滲出型であれば新生血管の発生・成長を抑えることができます。脳梗塞を経験した人がこの治療を受けると血栓ができるリスクがありますが、抗VEGF薬は数種類あるので慎重に選んで対応しています」(高橋医師)
抗VEGF療法で効果が得られない場合は、光線力学療法(PDT)を併用して効果を高めることもある。この治療は講習会を受けた医師でなければ実施できないが、高橋医師はその講習会を運営する「眼科PDT研究会」の代表世話人を務め、この治療にも精通する。
加齢黄斑変性の9割を占める「滲出型」は進行を遅らせるのが第一だが、現在のところ「萎縮型」については治療法がない。それゆえ高橋医師は早期発見が重要であると説く。
「アムスラーチャートという格子状のものを片目で診て自己チェックするか、障子やタイルなどの格子状のもので代用することもできます。格子がゆがむ(変視症)、視界の中央が暗く欠ける(中心暗点)などの症状があれば、早急に眼科を受診しましょう」(高橋医師)

医師プロフィール

1984年 関西医科大学卒業、同大学眼科学教室入局、研修医
1989年 同大学大学院修了、関西医科大学眼科学教室助手
1990年 米国イリノイ大学シカゴ校リサーチフェロー
1993年 関西医科大学眼科学教室講師
2004年 同大学香里病院眼科部長
2005年 同大学眼科学教室助教授
2006年 同大学附属枚方病院(現・関西医科大学附属病院)准教授
2008年 関西医科大学附属病院 眼科診療部長、主任教授
2024年3月 退職

所属学会

日本眼科学会 専門医
日本眼科学会 指導医・研修医指導医
眼科PDT研究会 代表世話人・認定医

主な著書

『これだけは知っておきたいポイント 加齢黄斑変性』(2016年 医薬ジャーナル社)
(更新日:2023年10月5日)